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復興願い「イケメン」ライブ 狩野さん、宮城の実家で(2/2ページ)

2009年4月9日21時1分

写真:売れっ子になる前に母からもらったお守りを持つ狩野英孝さん。だいぶ傷んできたが、常に携帯している=東京都港区のマセキ芸能社売れっ子になる前に母からもらったお守りを持つ狩野英孝さん。だいぶ傷んできたが、常に携帯している=東京都港区のマセキ芸能社

写真:被災後、地元の支援で再建された鳥居。その前で談笑する父勉さん(左)と母千代子さん=宮城県栗原市栗駒桜田の桜田山神社被災後、地元の支援で再建された鳥居。その前で談笑する父勉さん(左)と母千代子さん=宮城県栗原市栗駒桜田の桜田山神社

 04年春、関東のローカルテレビにお笑い芸人として出演した。番組を見たおばが両親に録画テープを渡す。お笑い芸人であることが「親にばれてしまった」(狩野さん)。厚めの化粧に見たことのない長髪姿のホストキャラ。「このキャラでやるのとびっくりした」と母千代子さん(54)。だが、両親とも反対することなく見守り続けた。

 06年4月にはNHKの人気番組「爆笑オンエアバトル」に初出場し、1番の高得点。しかし、テレビ出演は続かなかった。まだスーツは黒。成人式用に買ったものだった。

 その後のある民放テレビ局のオーディション。面接官は、別のオーディションで落とされた番組プロデューサーだ。心機一転、スーツを白に変え、以前と同じネタを披露すると、「キャラが立ち見やすくなった」とプロデューサー。オーディションもパスした。以来、スーツは白。これを機に仕事は増えた。

 今、平日はテレビ番組にひっぱりだこ。週末はほとんどイベントなどで飛び回る。休みは月に1度。そんな「イケメン」を維持するのは大変だ。白いスーツは4着持っているが、クリーニングにかけると黒ずんでしまうため、頻繁に買い替えている。

 全国各地から声がかかるが「宮城県での仕事が一番緊張する。でも一番うれしい」。好きになれなかった古里。でも田舎にいたことが発奮材料になっていたと気付く。格式ばった神社とお笑いのギャップも自分が注目された理由だと思う。「地元のおかげでなんとかなれたかな」。ライブでは、そんな古里に感謝の気持ちを伝えたい。「ズーズー弁とかもありかな」

 祖父は旧栗駒町の議員をやりながら神主を務めた。父は団体職員を経て38代目の神主に。将来は自分も神主を継ぐつもりだが、「お笑いをやめる気はありません」。ライブは午後2時過ぎから。(篠健一郎)

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