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琉大病院第2内科:骨髄移植停止も 担当医、過労で全員退職

 県内唯一の骨髄バンク認定施設の琉球大学付属病院第2内科で、骨髄移植を実質的に担当する医師3人全員が過重労働などを理由に、6月末までに退職することが分かった。骨髄の採取は3月で、移植は4月中でストップする。後任の医師が見つからなければ、今後も県内でバンクを介した骨髄の採取や移植ができなくなる可能性が高く、関係者は「県内の骨髄移植の態勢は壊滅状態。県全体の問題として考えるべきだ」と指摘している。

 退職する医師3人のうち、2人は県内の別の病院に移り、1人は休養する予定で、過重労働の背景に、血液疾患担当医師の慢性的な不足や医師を支える態勢の不備があると指摘している。

 7月から別の病院に勤務する医師(39)は「やりがいは十分にあるが、3人態勢ではいつ医療事故を起こしてもおかしくない状況」と話し、休養する医師(34)は「体調が悪い時でも勤務しないといけない状況が続き、以前から限界を感じていた」と述べた。琉大病院では小児科の骨髄移植責任者の医師が3月末で退職している。

 県骨髄バンクを支援する会の上江洲富夫代表は「県外で移植を受けざるを得ない状況で、患者や家族への経済的、精神的な負担が大きい。県全体の問題として行政が考えてほしい」と強調。2年前に夫が同病院で移植を受けた女性は「今後移植を待っている患者がどうなるか心配だ」と話し、県外の病院で移植を受け、琉大病院に定期健診で通う女性は「医師や患者にとって治療ができにくい環境があるなら、どうにか改善してほしい」と訴えた。

<用語>骨髄バンク

 白血病などの血液難病で骨髄移植が必要な患者と、骨髄の提供者を橋渡しする組織。バンクを介した骨髄採取や移植には、過去に採取や移植を10例以上経験した医師の在籍など、骨髄移植推進財団が定める基準を満たさなければならない。県内ではこれまでに23件の移植が行われた。

(琉球新報)

2009年4月9日

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