双葉厚生病院(双葉町新山)と県立大野病院(大熊町下野)の経営統合問題で、経営重視による医療サービス低下を心配して、同意に慎重姿勢を示していた双葉郡町村長会は8日、県が医師数や病床数の確保を約束すれば統合を受け入れることを確認した。17日に県も出席する会議で対応を求める。県が受け入れれば、統合へ向けて大きく動き出すが、実現するかは不透明だ。
会議は8町村長らが出席して非公開で行われた。会議後、同会長の遠藤雄幸・川内村長は「統合によって効率化が重視され、政策医療が成り立たなくなることを地元は心配している。公立病院が厳しい状況なのは理解できるので、県が条件を担保するなら現実的な対応も必要だ」と述べた。
両病院には現在、医師は計18人、病床は計270床ある。同会は3月の会合で、県に対して統合後も医師25~30人と病床250~300床を確保するよう要望。県は態度を保留した。
他の県立4病院では今年度から病床数を削減せざるを得なくなるなど、県の病院経営は厳しい状態にある。県病院局病院経営改革課は「要望にどう応えるか検討している。引き続き地元の理解を得られるよう努めたい」と話した。【今井美津子】
毎日新聞 2009年4月9日 地方版