遠野市の県立遠野病院(貴田岡博史院長、199床)の整形外科に青森県八戸市出身の菅原卓医師(38)、内科に大阪府出身の大野和範医師(34)が赴任し、8日夕、本田敏秋市長を表敬訪問した。【鬼山親芳】
両医師とも自然農法による農業実践や野菜づくりの夢を描くなど自然豊かな遠野の風土にあこがれていた。市も協力を約束してくれたのが赴任を決断する理由にもなったという。
菅原医師は富山県から6日に、大野医師は沖縄県から8日に着任した。共に東北大医学部出身。大学の先輩の貴田岡院長をはじめ、市も市外の産科医との連携によるモバイル遠隔健診の取り組みなどを積極的に説明し、赴任を働きかけてきた。
菅原医師は将来、遠野に家を建て、農薬を使わずに田畑を耕し土と生きるのが夢。遠野病院で研修経験のある大野医師も家庭菜園の希望があり、市は市営農園を提供する。
2人は「美しい自然にひかれ、遠野を選んだ。子供を育てるにも最適」と口をそろえた。本田市長は「どこも医師確保が大変な中、本当にありがたい」と感謝した。
遠野病院の常勤医は2人に4月の異動で着任した別の医師1人を加え計12人となった。06年11月から常勤医の不在で休診していた整形外科は2年5カ月ぶりに診療を再開した。
毎日新聞 2009年4月9日 地方版