2009年4月8日5時5分
政府は7日、緊急雇用対策の一環として、ハローワークの正職員304人を臨時増員する方針を固めた。行政改革で公務員数の削減が進む中、年度途中で正職員の増員が認められるのは異例だ。急激に悪化する雇用情勢に対応するため、ハローワークの非常勤職員も約7千人増員する。09年度補正予算案に関連予算を盛り込む方針だ。
増員する正職員は、改正雇用保険法で要件が緩和され、受給者の増加が見込まれる失業手当の給付や、申請が急増している雇用調整助成金の担当に充てる。職業相談や求人開拓分野については非常勤職員の増員で対応する。
雇用情勢の悪化で、2月の新規求職者数が前年同月比で3割増の約70万人に達したほか、雇用調整助成金の申請対象者数も同1200倍以上の186万人となり、ハローワークの業務量は急増している。各地のハローワークでは、求職者や雇用調整助成金を申請する事業者らが、何時間も手続きを待たされる状況で、体制の強化を求める声が上がっていた。
一方、09年度当初のハローワークの体制は、小泉内閣時に定められた行政改革方針などに基づき、正職員数は前年度比約300人減となっていた。これに対して、与党からも、雇用対策が求められる中でハローワークの職員数が減ることへの異論が出ていた。今回の臨時増員は、これを補う形だ。
国家公務員の正職員の増員については通常、本予算に合わせて決定する。阪神大震災時に一定の増員が認められた例はあるが、補正予算案に増員要求を盛り込むのは異例だ。ただ、3年間の時限措置とし、今後、退職者の補充などを減らすことで、最終的には行革方針には影響が出ないようにする。(松浦祐子)