韓国料理の世界化プロジェクト、政府が推進
「国際都市」ソウル市内には、特1級ホテルが19カ所もある。このうち、韓国の味を伝える韓国料理専門店を運営しているのは、ロッテ(中区小公洞)、メイフィールド(江西区外鉢山洞)、ルネサンス・ソウル(江南区 駅三洞)、ウォーカーヒル(広津区広壮洞)の4カ所に過ぎない。かつては特1級ホテルのほとんどが、自慢の韓国料理店を構えていた。
しかし2004年ごろから次々と閉店し始めた。グランド・インターコンチネンタル・ソウルの「中秋」、ウェスティン朝鮮の「ショブル」、新羅の「徐羅伐」、ソウル・プラザの「亜斯達」、ミレニアム・ソウル・ヒルトンの「修羅」といった韓国を代表する韓国料理店が相次いで姿を消した。
05年にはロッテ(蚕室)が韓国料理店を閉店した。新しくオープンするホテルには、いずれも韓国料理店は入っていない。あるホテル関係者は、「韓国料理店は食材の費用がほかの料理より高く、調理時間もかかるため、客も多くない」と語った。
ホテルから韓国料理店が減っていく一方、空いたスペースには他国の料理店が進出している。新羅ホテルでは韓国料理店があった場所が日本料理店に変わり、ミレニアム・ソウル・ヒルトンの場合はイタリアンレストランが入った。
“韓国料理の世界化”を担当する農林水産食品部の関係者は、「外国人に韓国料理を広めるためには、特1級ホテルに韓国料理店を構えるのが最善の案の一つだが、、“財閥のホテル”に支援してはいけないという理由でいつも予算が削減される」と語った。
韓国国内で外に追いやられている韓国料理が、海外で栄えるはずもない。日本の焼き肉チェーン「牛角」は日本や米国などに200余りのチェーン店を展開し、カルビ・チャプチェ・キムチをメニューに取り入れている。これに対し、韓国から日本に進出した韓国料理チェーン「妻家房」は、20店舗余りにとどまっている。
特1級ホテルの韓国料理店が「絶滅の危機」に追い込まれているのを受け、韓国政府が対策を打ち出した。農林部は6日、2017年までに韓国料理を「世界5大料理」に育てることを目標にした、「韓国料理の世界化プロジェクト」の推進計画を発表した。その中には「スター韓国料理店プロジェクト」も含まれている。韓国料理店を運営する特1級ホテルには「食品総合資金」を支援し、広報も行うという内容だが、具体的な資金支援案はまだ確定していない。
このほか韓国料理の世界化プロジェクトには、「高級韓国料理店ストリート」を作り、フランスの有名な料理学校「ル・コルドン・ブルー」などに韓国料理講座を新設する案を推進するという内容も含まれている。
キム・ジョンフン記者
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