X先生
推察するに、大部分の日本人は、日常的に報じられるマスコミ情報から、北朝鮮政府の政策に、深い違和感と疑問を感じているに違いありません。私もそのように受け止めています。確かに、戦後、繰り返された①日本漁船拿捕や②日本人拉致の現実を直視すれば、誰しも、ひどいと感じることでしょう。いまの北朝鮮は、③カースト制度に近い国民差別化政策、④世界でも希な世襲指導者の存在、⑤国民の飢えで維持されている軍事独裁政権、⑥日米韓等の資本主義国への敵対政策、⑦日米韓等へのミサイル攻撃網、⑧核兵器保有等の異常な条件の重ね合わせの中で成立しており、いずれも歴史的に否定されたか否定されつつある価値観の呪縛の中で存続している世界で最も好ましくない国家のひとつと位置づけられることでしょう。しかし、それは、日本人の座標系で考えた場合の評価に過ぎません。ひとつの真実でも、それを見る座標系の設定座標によっては、異なった見え方がするものです。推察するに、北朝鮮の座標系で見れば、(1)歴史的に陸側からも海側からも侵略された被害国、(2)日米帝国主義による侵略戦争の犠牲国、(3)1923年の関東大震災時における朝鮮人大虐殺(日本人は、残念なことに、朝鮮人を犬猫のように扱い、殺害しました)、(4)いまの日本でも継続されている根深い朝鮮人差別等の問題(国家としてそのような政策を推進しているわけではありませんが、残念なことに、戦時中の価値観が世代を超えて引き継がれており、いまの中学生ですら、親の口癖をそのまま真に受け、朝鮮人を蔑むような言葉を平気で口にしています)が浮上してきます。日本人には、(2)(3)(4)に対する反省が足りず、特に、(3)(4)における人間の尊厳を否定するかのような取り扱いに対しては、いくら反省してもし過ぎることはなく、日本人の厚顔無恥には、恥ずかしさすら感じます。そんな世界の政治経済の中で、北朝鮮政府は、大陸間弾道弾と人工衛星打ち上げロケットの両刃の機能と将来を拓く"得体の知れない飛行物体"を打ち上げました。そのような政治的状況は、米国による北朝鮮政策の失敗によってもたらそれたものであり、日米の対応は、後手後手に回っており、政府命令を受けての陸上自衛隊による落下物迎撃ミサイルの配備は、発生確率とリスクを無視した非科学的対応であり、費用対効果比の成立しない愚行であって、なおかつ、、北朝鮮の問題を利用した軍事化政策の始まりのように見られます。
桜井淳
X先生
3月30日に第18回「【高速PCにる計算演習】モンテカルロ法による遮蔽安全解析セミナー」を開催しました。日製(茨城県には日立市があるため、日立製作所については、会話や文書における混乱や誤解を避けるために、日製と略します)から2名のエンジニアの参加がありました。2名とも30歳台半ばで、セミナー中のやり取りから察するに、大変優秀なように感じました。熱心に計算し、質問していました。このセミナーに、過去に、日製の原子力部門から数名のエンジニアの参加がありましたが、今回の参加者の所属部門は、医療機器開発部門で、主な業務は、シンクロトロン等の加速器の開発を担当しているとのことです(正式な所属部門名の中にはPTという略が入っており、それは、陽子診断(Proton Therapy)の略です)。同部門には計約100名が従事しており、そのうち粒子輸送計算を担当しているエンジニアは、2名ということで、今回は、その2名が参加したことになります。今回のセミナーの目的は、高エネルギー中性子による非常に厚い鉄やコンクリート等の遮蔽物質の深層透過計算であって、計算効率が最大になる最適計算条件の設定法と計算結果の評価法の習得です。中性子や光子の輸送計算は、相互作用数からして、比較的やり易いのですが、医療照射に利用する電子や陽子や重イオンのような荷電粒子の輸送計算は、中性子や光子の場合よりも相互作用数が少なくとも二桁も多いため、計算時間がかかり過ぎ、1日程度のセミナーではまったく対応できません。しかし、これから、陽子医療照射施設が各県一施設建設されることになっており、そのような社会的需要に応えるために、将来は、そのような問題の解決のためのセミナーを開催したいと考えています(本欄バックナンバー参照)。
桜井淳
2002年から今日まで高速PCによる各種モンテカルロ計算演習セミナー(本欄バックナンバー参照)の講師を務めた桜井淳所長からの報告を総合すれば、"招かざるお客様"(参加してもらいたくない迷惑な人達)とは、次のような人達のことです。
(1)募集要項に反してPC使用経験のまったくない人(原研那珂研研究者)。
(桜井所長は、緊急策として、そのような人に対しても、操作手順をひとつひとつ指示して、他の参加者と同じように学べるようにしました。)
(2)募集要項に反してOSと処理速度(何GHzか)の報告をしてこない人(原研東海研研究者や阪大レーザー核融合研教員等)。
(申込者の中には、報告義務の意味を理解できていない人がおり、OSは、作成したプログラムインストール用CDが指定OSのオートインストーラーによって確実に読み込めることの確認であり、処理速度は、モンテカルロ計算には時間がかかるために、他の人達と同じように計算実行が可能かどうかの確認のためで、中には、いまでも、2-3GHzの時代に、無断で、150-300MHzのPCを持参する人もいましたが、桜井所長は、緊急策として、そのような人達に対しても、ヒストリー数を減らして計算させ、他の人達と同様に、定量的な議論をしました。)
(3)募集要項に反して指定OS以外のOSを搭載したPCを持参した人(原研東海研研究者)。
(桜井所長は、プログラムのインストールができないため、ルール違反を理由に、退室命令を出しました。)
(4)当日無断欠席する人(原研大洗研職員やサイクル機構東海事業所職員等)。
(桜井所長は、本人と上司に注意し、それでも改まらない組織については、参加させない方針です。)
(5)募集要項に反して組織内の共用PCを持参して設定条件がまったく分かっていない人(サイクル機構東海事業所職員)。
(桜井所長は、インストールできなかったため、対応策がなく、偶然、サイクル機構東海事業所が開催組織場所に近かったため、正常なPCを取りに行かせました。)
(6)当日持参したPCが壊れていた人(企業から原研への出向者)。
(桜井所長は、開催組織内の人であったため、すぐに、正常なPCを取りに行かせました。)
(7)当日持参したPCのCDドライブが作動不能だった人(中部電力エンジニア)。
(桜井所長は、緊急策として、インストールした人のPCからUSBで記憶させ、CDが不能な人のPCにそのUSBの情報を読み込ませ、予定どおり、計算演習を行わせました。)
(8)インストール用プログラムと入力データを記憶させたCDの手を触れてはならない面に指紋を付けてしまった人(高エネルギー研研究者)。
(桜井所長は、インストールしても正常に計算できない原因が分からず、午前中の2時間、原因究明を行い、手を触れてはならない面に指紋が見えることに気付き、テッシュペーパーでていねいに拭き取り、再インストールしたところ、正常に計算できました。)
(9)セミナー進行の秩序を乱す人(原研東海研研究者)。
(桜井所長はその場で注意しました。そのようなことが繰り返されるようであれば、その組織からの参加を認めない方針です。)
(10)講師の注意事項をまったく聞いていない人(日製の遮蔽部門エンジニア等)。
(桜井所長はその場で注意しました。そのようなことが繰り返されるようであれば、その組織からの参加を認めない方針です。)
(11)講師に対して失礼な発言や態度の人(三菱重工業エンジニア等)。
(桜井所長はその場で注意しました。そのようなことが繰り返されるようであれば、その組織からの参加を認めない方針です。)
なお、桜井所長の国際会議や研究会の開催経験に拠れば、どのように注意して対策を立てても、約6割の参加者はごく普通の問題ない人達ですが、約3割の参加者は"招かざるお客様"であり、残りの約1割の参加者はかくありたいと願うくらい優秀な人達でした。問題は約3割の"招かざるお客様"への対応です。
桜井所長は、そのような人たちに対しては、直接本人と上司にそのことを報告して注意し、それでも改まらない場合には、該当組織から参加させない方針です。桜井所長が求めている人物は、真面目で、誠実で、礼儀正しく、向学心のある人で、特別な条件を課しているわけではありません。
2007年4月からのセミナー有料化にともない(2002年4月から2007年3月までの約400名の参加者に対しては、研究目的のセミナーであったために、無料でしたが、それ以降の約200名に対しては、有料です)、ピジネスに徹するため、セミナー事務局担当者は、参加申込者に対して、2-3回のメールのやり取りの過程から、たとえ定員に満たなくても、上記条件を満たしていると受け止められる人達しか参加を認めないようにしています。これまでの約600名からのメールでの申込内容(組織名・所属・メールアドレス・参加目的)は、すべて保存してありますので、当時のセミナー進捗状況をいつでも再現することが可能です。