済生会宇都宮病院(宇都宮市竹林町)に入院中の男性患者(23)が6日、陸上自衛隊のヘリコプターで東京都内の病院に緊急搬送された。県によると、自衛隊のヘリを使った患者の転院搬送は県内で初めて。
ヘリは陸上自衛隊の相馬原駐屯地(群馬県榛東(しんとう)村)に所属。同日午後0時45分ごろ、同病院の職員駐車場を離陸した。医師、看護師ら5人も同乗した。約45分後、自衛隊中央病院(東京都世田谷区)のヘリポートに到着し、男性は救急車で東大医学部付属病院(文京区)に搬送された。
ヘリを使うと、陸路よりも搬送時間を約1時間短縮できるという。出発前、ヘリの波多江享宏機長(49)は「振動を軽減する速度、高度で飛行し、慎重な操縦を心掛けたい」と話していた。
県は当初、防災ヘリ「おおるり」での搬送を検討したが、ベッドや酸素ボンベ、人工呼吸器など必要機材の総重量が400キロを超えるうえ、スペースが足りないため断念。この重量に耐えられるヘリを持つ自衛隊に搬送を要請した。
済生会宇都宮病院によると、男性は劇症型心筋症で、補助人工心臓の手術を受けた後、心臓移植を待つという。【戸上文恵】
毎日新聞 2009年4月7日 地方版