県立3病院の経営の在り方について調査した08年度の包括外部監査結果が公表された。監査を行った鈴木友隆公認会計士は会見し、「コストや収益に対する意識向上に県全体で取り組むべきで、将来的には地方独立行政法人化が望ましい」と述べた。
監査結果は報告書にまとめ、3月23日に村井嘉浩知事に提出。循環器・呼吸器病センター、精神医療センター、がんセンターの3県立病院に関し、07年度は、県からの負担金約34億円をつぎ込んでもなお6億7300万円の純損失があり、資本の取り崩しも考慮した実質的な欠損金は184億8100万円に及ぶと指摘。経営を圧迫する最大の要因は人件費だとして、独自の人事給与制度を取れる地方独立行政法人化が望ましいと提言した。
また、経営改善策として(1)東北大と連携し医師不足解消に努める(2)病床利用率を高め、採算改善を図る(3)診療報酬の請求漏れなどを是正する--など5点を提案した。診療報酬の請求については、3病院の30件をサンプル調査したところ、うち14件に不備があったという。
患者からの報酬の未収金を把握していないことや、設備点検などの委託業務の単価が高過ぎるなどの問題点も列挙。鈴木公認会計士は「経営改善の分析がなされておらず、民間ではありえない」と厳しく指摘した。【伊藤絵理子】
毎日新聞 2009年4月7日 地方版