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Sat, April 04, 2009 stanford2008の投稿

桜井淳所長から親しい友人のX先生への手紙 15-福知山線脱線転覆事故後に集中した妨害行為-

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X先生



ここで改めて説明するまでもないことですが、私は、特に多忙でもない限り、求められるままに、新聞社からであろうが、テレビ局からであろうが、インタビューや録画等に、適切に対応するように心がけてきました。そうすることが世のため、人のためと受け止めてきました。世の中で不祥事が生じると、私が解説しなければならず、不祥事の加害者や被害者の立場に立てば、沈黙した方がよいと思える時でさえ、国民の安全を最優先し、心を鬼にして、厳しいことも主張しなければなりませんでした。その度に、世の中から好ましくない職業と分類されている人達から、数多くの脅迫やら業務妨害がありました。多くの場合、世の中には、価値観の異なるいろいろな考え方の人間がいると受け流してきましたが、あまり非常識なことや度を越す妨害行為・脅迫行為に対しては、水戸警察署や茨城県警に報告し、適切な対応をしてもらいました(『桜井淳著作集第3巻-科学技術社会論ノート-』参照)。顧問弁護士に依頼して法的手続きを行ったことも何回かありました。ここ20年間だけを対象にしても、特に多くのインタビューを受けたのは、2F-3再循環ポンプ損傷事故(1989)、美浜2号機蒸気発生器伝熱管破断事故(1991)、「のぞみ」事故等新幹線事故(1992-1993)、「もんじゅ」液体ナトリウム漏洩・火災事故(1995)、再処理工場附属施設火災・爆発事故(1997)、臨界事故(1999)であり、それぞれ、1ヵ月に、約150件に達しました。しかし、福知山線脱線転覆事故(2005.4)の時には、死者107名に達したためか、それまでの傾向や件数とは著しく異なり、2週間半に、約350件にも達し、もういやと言うほどの状況の中で、疲労困憊しました。その直後から、いまでも続いていますが、私のところに、明らかに鉄道マニアで、エンジニアリングの素養のない素人(工学的専門知識を備えたエンジニアではない)と思われる羨望とねたみに満ちた人物から妨害目的のメール等があり、その内容からして、あまりにも素人くさく、ただ、妨害のための妨害としか思えないような低次元な内容に、いつものように、無視していましたが、数十件も続いたため、営業妨害として、水戸警察署に被害届を提出しました。私は、鉄道マニアに偏見を持っているわけではなく、世の中には、いろいろな趣味を持っている人間がいるくらいにしか考えておらず、特に、よいとも悪いとも考えておらず、中には、知り合いの東京電力の文科系社員のように、ハイレベルな視点(予定車両の運休にともない、つぎの編成を組むために、予期しない型式の車両も利用されることがあり、具体的にどのような型式がどこから工面されるのかとか)を持つひともいれば、趣味が高じて鉄道運行妨害(写真撮影のために運行妨害)や反社会的犯罪行為(脱線車両吊り上げのためのクレーン車の写真が撮りたいために、本当に脱線させたひともおりましたが)に走るひともおり、ひとそれぞれと受け止め、後者に対しては、哀れで気の毒とさえ感じています。鉄道マニアの中には、繰り返し、悪質と思えるくらいくどく、私がコメントした"ガードレール"の位置(すなわち、「本軌道レールの内側でも外側でもよい」)が間違っていると主張して来るひともおり、いたずらとも思えず、本気でそのように勘違いしているとしか思えず、素人相手のことに、その対応に苦慮したことがありました。一般的に、電車や新幹線は、脱線を防ぐことはできません。たとえ、"ガードレール"を設置しても、それは、万能ではなく、福知山線脱線転覆事故のような"横転型脱線転覆事故"には、まったく無力であって、できることは、せいぜい、脱輪した車両が大幅に軌道から逸脱して、致命的被害をもたらすような脱線転覆にならないようにするくらいの軽減措置に過ぎません。その"ガードレール"は、レールの約5cm内側に設置しなければならないことはなく、その機能を発揮する力学的作用を考えれば、レールの内側でも外側でもよく、具体的な選択の条件は、本軌道レールと"ガードレール"の位置関係からして、設置・交換・保守のしやすさや機械的強度に置かれています。世界には、いろいろなケースがありますから、よく調べることです。JR東日本の東北新幹線の脱線防止策のように、軌道側に"ガードレール"を設置するのではなく、新潟県中越地震時の「とき」脱線の教訓から、新しい方法として、台車車軸軸受け構造物の外側に、逆L字形の構造物を取り付けて、脱輪した時に、その構造物が、本軌道レールの外側に接触して、車両が軌道から著しく逸脱しないようにすることもできます。しかし、JR東海の東海道新幹線とJR西日本の山陽新幹線は、内側に"ガードレール"を設置することになっています。一部の鉄道マニアが、本気でそのように考え、正しいと思うならば、日本機械学会の査読付論文誌に解説論文か原著論文を投稿することです。しかし、たとえそうしても、結果は、明らかであり、査読は、絶対に通過しません。



桜井淳

Sat, April 04, 2009 stanford2008の投稿

桜井淳所長から親しい友人のX先生への手紙 14-いま北朝鮮をどのように受け止める必要があるのか-

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X先生



推察するに、大部分の日本人は、日常的に報じられるマスコミ情報から、北朝鮮政府の政策に、深い違和感と疑問を感じているに違いありません。私もそのように受け止めています。確かに、戦後、繰り返された①日本漁船拿捕や②日本人拉致の現実を直視すれば、誰しも、ひどいと感じることでしょう。いまの北朝鮮は、③カースト制度に近い国民差別化政策、④世界でも希な世襲指導者の存在、⑤国民の飢えで維持されている軍事独裁政権、⑥日米韓等の資本主義国への敵対政策、⑦日米韓等へのミサイル攻撃網、⑧核兵器保有等の異常な条件の重ね合わせの中で成立しており、いずれも歴史的に否定されたか否定されつつある価値観の呪縛の中で存続している世界で最も好ましくない国家のひとつと位置づけられることでしょう。しかし、それは、日本人の座標軸で考えた場合の評価に過ぎません。ひとつの真実でも、それを見る座標系の設定座標によっては、異なった見え方がするものです。推察するに、北朝鮮の座標系で見れば、(1)歴史的に陸側からも海側からも侵略された被害国、(2)日米帝国主義による侵略戦争の犠牲国、(3)1923年の関東大震災時における朝鮮人大虐殺、(4)いまの日本でも継続されている根深い朝鮮人差別等の問題が浮上してきます。日本人には、(2)(3)(4)に対する反省が足りず、特に、(3)(4)における人間の尊厳を否定するかのような取り扱いに対しては、いくら反省してもし過ぎることはなく、日本人の厚顔無恥には、恥ずかしさすら感じます。そんな世界の政治経済の中で、北朝鮮政府は、大陸間弾道弾と人工衛星打ち上げロケットの両刃の機能と将来を拓く"得体の知れない飛行物体"を打ち上げようとしています。そのような政治的状況は、米国による北朝鮮政策の失敗によってもたらそれたものであり、日米の対応は、後手後手に回っており、政府命令を受けての陸上自衛隊による落下物迎撃ミサイルの配備は、発生確率とリスクを無視した非科学的対応であり、費用対効果比の成立しない愚行であって、なおかつ、、北朝鮮の問題を利用した軍事化政策の始まりのように見られますが、いかがでしょうか。



桜井淳

Sat, April 04, 2009 stanford2008の投稿

【事務所報告】深刻な財政危機に直面しているカリフォルニア州-世界的構造不況が加速する蟻地獄-

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今に始まったことでなく、すでに、1990年代半ばから問題になっていましたが、米カリフォルニア州の財政は、危機的状況に陥っており、暫定的な軽減策として、公的組織の人員整理かそれに匹敵する経費削減策に踏み切っていますが、そのような状況の中で、1990年代半ばに打ち上げられた約2兆円かけての時速350kmの"カリフォルニア新幹線"の構想(カリフォルニア州州都サクラメント(Sacramento)とサンフランシスコ(San Francisco)、ロサンゼルス(Los Angeles)、サンディエゴ(San Diego)を結ぶ計700kmにわたるカリフォルニア州縦断高速鉄道)は、まったく進展しておらず、それどころか、ますます、実現から遠ざかっているというのが現状ですが・・・・・・、いっぽう、世界的構造不況の中で、オバマ政権は、景気刺激策のひとつとして、ワシントン-ニューヨーク間の約200kmに、約一兆円かけて新幹線建設構想を挙げており、そちらは、政府予算だけに、政府政策次第では、実現の可能性が高いように感じられますが・・・・・・、米国から日本に眼を転じれば、英国鉄道会社の全面的な新車両への置き換え計画の中で、日立製作所が約一兆円規模の一括受注に成功していますが、日本の鉄道技術と車両メーカーの将来は、世界的に見て、日本が参入できそうな欧米先進国や中国の鉄道建設の将来を考えてみれば、まだまだ、試行錯誤と紆余曲折があり、大きな不確実性の中にあると言えそうです。
Sat, April 04, 2009 stanford2008の投稿

桜井淳所長から親しい友人のX先生への手紙 13-第18回遮蔽セミナーに参加した日製のエンジニア-

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X先生



3月30日に第18回「【高速PCにる計算演習】モンテカルロ法による遮蔽安全解析セミナー」を開催しました。日製(茨城県には日立市があるため、日立製作所については、会話や文書における混乱や誤解を避けるために、日製と略します)から2名のエンジニアの参加がありました。2名とも30歳台半ばで、セミナー中のやり取りから察するに、大変優秀なように感じました。熱心に計算し、質問していました。このセミナーに、過去に、日製の原子力部門から数名のエンジニアの参加がありましたが、今回の参加者の所属部門は、医療機器開発部門で、主な業務は、シンクロトロン等の加速器の開発を担当しているとのことです(正式な所属部門名の中にはPTという略が入っており、それは、陽子診断(Proton Therapy)の略です)。同部門には計約100名が従事しており、そのうち粒子輸送計算を担当しているエンジニアは、2名ということで、今回は、その2名が参加したことになります。今回のセミナーの目的は、高エネルギー中性子による非常に厚い鉄やコンクリート等の遮蔽物質の深層透過計算であって、計算効率が最大になる最適計算条件の設定法と計算結果の評価法の習得です。中性子や光子の輸送計算は、相互作用数からして、比較的やり易いのですが、医療照射に利用する電子や陽子や重イオンのような荷電粒子の輸送計算は、中性子や光子の場合よりも相互作用数が少なくとも二桁も多いため、計算時間がかかり過ぎ、1日程度のセミナーではまったく対応できません。しかし、これから、陽子医療照射施設が各県一施設建設されることになっており、そのような社会的需要に応えるために、将来は、そのような問題の解決のためのセミナーを開催したいと考えています(本欄バックナンバー参照)。



桜井淳

Fri, April 03, 2009 stanford2008の投稿

【事務所報告】桜井淳所長の最近の講演内容-現代科学技術論シリーズ(1)地球環境悪化防止の政治学-

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【講演要旨】世界の人口は、1700年代後半から目立った増加傾向になり、1800-1930年まで際立った直線増加、それ以降、急激な直線増加を示し、今日、66億人にも達していますが、その傾向とのプラスの相関関係を持つような変化を示しながら、"地球温暖化ガス"と認定されている二酸化炭素の排出量が増加していますが(スヴァンテ・アレニウスは、1896年、ピッツバーグのアレゲニィ天文台での赤外線観測におけるサミュエル・ラングレー&フランク・ワシントン論文を基に、二酸化炭素濃度と温室効果との相関関係について、初めて言及しました)、両者の増加傾向は、1760-1836年に遂げられた"産業革命"が起因となっていると解釈され、特に、1900年代半ば以降の世界的な高度経済成長期における米国に代表される多エネルギー消費社会の形成が、石炭や石油の大量消費を加速したため、致命的とも言える地球環境破壊をもたらしましたが、世界の二酸化炭素の排出量の割合は、米国22.1%、中国18.1%、ロシア6.0%、日本4.8%、インド4.3%となっているため、今後の米国と中国のエネルギー政策によって、地球環境の将来が左右されてしまうと言っても過言ではなく(1997年に策定された「京都議定書」では、日本の二酸化炭素排出量は、1990年比マイナス6%となっており、それは、2010年には、マイナス12%を意味しています)、日本がいくら原子力発電の割合を拡大しても、それによる世界的貢献は、無視できるくらい小さく、日本が積極的に貢献しなければならないことは、中国へのエネルギー技術を中心とした技術供与であり、特に、中国国土の広大さからすれば、エネルギー技術の将来を見越して、太陽光発電や風力発電の推進のための技術だけでなく、機器の供給まで分担する必要があるように思えます(先進国における二酸化炭素1t当たりの削減費用は、約25万円となり、日本は、年間50万tの削減となれば、約1250億円にも達しますが、排出権をロシアから半額に相当する金額で購入する等の対策も実施中です)。
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