事件・事故・裁判

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

西松建設献金事件:小沢氏続投 地方組織、ジレンマ--民主アンケ

 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR 政治>

 ◇党方針と世論のはざ間で

 民主党の都道府県連緊急アンケートから、小沢一郎代表の続投を了承した党本部の方針と世論の逆風との間でジレンマに陥っている地方組織幹部の姿が浮き彫りになった。次期衆院選への悪影響を懸念しつつも、国会議員レベルで決めた代表続投に、正面から異論を唱えることはできない。党が事件の影響をぬぐい去る効果的な対策を示さない限り、地方の苦悩は当分続きそうだ。

 続投を支持したのは44都道府県連とほとんどだが、積極的支持は「政権交代には小沢代表のリーダーシップが必要」(長野)など7県連にとどまった。15都府県連は「党本部の役員会と常任幹事会で続投が了承された」など消極的な理由だ。岐阜は「政権交代への国民の支持が得られなければ、改めて続投するか否か決断してほしい」と再考を求めた。

 県連幹部の不安が率直に表れたのが、次期衆院選への影響の有無を尋ねた問いだ。「影響する」と回答した38都道府県連の多くが「連日の報道で影響しないわけがない」(茨城)などと指摘し、政治不信の広がりを懸念した。

 事件に関する小沢氏の説明には「これ以上やりようがない」(大分)と全面的に支持する県連もあるが、不満もくすぶる。「説明が不十分」と回答した12県連のうち、7県連が、献金規模に関する説明を求めた。6県連は「検察も説明責任を果たすべきだ」(徳島)と検察にも注文を付けた。

 小沢氏が辞任した場合の後継代表に挙がったのは、岡田克也副代表が5県連(兵庫、和歌山、香川、長崎、宮崎)で最も多く、次いで▽菅直人代表代行4県連(兵庫、香川、福岡、熊本)▽鳩山由紀夫幹事長3県連(香川、福岡、熊本)が続き、前原誠司副代表を香川県連が挙げた。【田中成之】

 ◇違法献金、党が調査チーム設置へ

 民主党は、千葉県知事選で推薦候補が敗北したことに、小沢一郎代表の公設第1秘書の政治資金規正法違反事件が影響したと認めた。「事件への説明が不十分」との指摘を踏まえ、小沢氏は30日夜、鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行、輿石東参院議員会長と会談し、事件の調査チームを設置する方針を決めた。

 鳩山氏によると、小沢氏は「民主党も昔に比べて変わった」と指摘。不祥事のたびに代表を交代した過去とは変わったとの認識を示し、代表続投に改めて意欲をみせたという。

 同県知事選の結果に関しては、鳩山氏が記者団に「続投を決めたのだから党が一丸となって難局を乗り越えていく意思を示すことだ」と述べており、調査チームの設置はその打開策の一環だ。チームは弁護士や検事出身の有識者などをメンバーに検討している。調査対象は、小沢氏が受ける献金の使途や、検察捜査、事件報道のあり方が挙がっている。

 小沢氏は、国会議員に事件に関して直接説明したが、説明を受けていない地方や新人・元職候補は支持者への説明に苦慮している。

 ◇「代表は長考中」

 安住淳国対委員長代理は30日夜、BS11デジタルの報道番組「インサイドアウト」で、「(支持率が)底割れするか踏みとどまるのかの分岐点が来る」と指摘。「代表は、碁で言えば長考に入った。日本の政治に重要な決断を次の一手でする」と述べ、小沢氏が世論を見極めて進退判断するとの見方を示した。【白戸圭一、佐藤丈一】

毎日新聞 2009年3月31日 東京朝刊

事件・事故・裁判 アーカイブ一覧

 

特集企画

おすすめ情報