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小沢代表続投:民主党の亀裂表面化 辞任警戒と期待感交錯

会見で続投表明する民主党の小沢一郎代表(右)。左は鳩山由紀夫幹事長=民主党本部で2009年3月24日、佐々木順一撮影
会見で続投表明する民主党の小沢一郎代表(右)。左は鳩山由紀夫幹事長=民主党本部で2009年3月24日、佐々木順一撮影

 民主党の小沢一郎代表が公設第1秘書の起訴を受けて続投を表明したことを受け、党内の反小沢グループから早期辞任を公然と求める声が相次ぎ、小沢氏の続投を認めた執行部は擁護に追われた。一方、小沢氏が「続投がプラスかマイナスかは国民の受け取り方次第」と語ったことに対しては、突発的辞任への警戒と「いずれ辞める」との期待感が交錯。これまで封印されてきた小沢支持、反小沢のそれぞれのグループ間の対立が深まり、党内の亀裂が表面化しつつある。

 「法廷闘争はガンガンやっていただきたいが、必死にやっている候補者を巻き込んではいけない」。仙谷由人元政調会長は25日、国会内で記者団に対し、小沢氏を痛烈に批判。「代表が自主的に政治判断をなさるべきだ」と早期辞任を求めた。これに先立つ参院議員総会では、蓮舫氏が「政治と金の問題で国民に疑念を与えてしまった。(続投表明の経緯について)執行部に説明を求めたい」と迫った。

 24日に小沢氏へ自発的辞任要求を突き付けた横光克彦衆院議員が所属する党内グループ「リベラルの会」(代表世話人・平岡秀夫衆院議員ら)は25日、小沢氏の事件に対するさらなる説明を執行部に求めることを決めた。

 矢面に立つ執行部は苦悩を深めている。25日夕、千葉県松戸市内で県知事選の推薦候補の応援に立った鳩山由紀夫幹事長は「民主党が政治とカネの問題にもっとクリーンになれよと国民は思っている」と述べ、政治資金規正法見直しに取り組む意欲を示した。

 そんな中、小沢氏続投を支持する議員の間では、反小沢グループの早期辞任要求について「一部の人間が騒いでいるだけ。相手にしない」などと冷ややかな受け止めが大勢だ。

 しかし、小沢氏は24日の記者会見で「代表にも首相にも何の未練も執着もない」と言い切り、「続投はあくまで世論の支持が前提」との姿勢を強調。直後に面会した関係者には「さすがに疲れた」と漏らした。このため、「世論調査結果の党支持率や千葉県知事選などの結果を受けて、突然辞任表明するのではないか」(若手)との憶測が出ている。

 こうした見方は、反小沢グループの中では逆に「辞任への期待感」として広がっている。

 小沢氏の秘書起訴を受けた続投宣言は、かえって辞任時期を巡る憶測を党内に広げ、小沢氏に対する立場を異にする議員の間に疑心暗鬼を生んでいる。【上野央絵】

毎日新聞 2009年3月25日 22時12分(最終更新 3月26日 1時42分)

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