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西松建設献金事件:小沢氏秘書逮捕 西松OB「未来研」の献金先、小沢氏周辺に集中

 ◇専用ダミーの疑い

 ◇小沢氏、事情聴取へ--東京地検

 小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、「西松建設」OBが代表を務めた二つの政治団体のうち「未来産業研究会」(未来研)の献金先が陸山会など小沢氏関連の三つの政治団体に集中していることが分かった。東京地検特捜部は未来研が小沢氏側への献金用に作ったダミーだった疑いで小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)らを追及している。献金の実態を解明するため小沢氏からも任意で事情聴取する方針。

 西松側が企業献金の隠れみのにしていたとされるのは98年に設立された未来研のほか、95年設立の新政治問題研究会(新政治研)。

 政治資金収支報告書などによると、両団体は解散までの十数年間に計約3億8500万円を与野党議員に献金し、約9300万円分のパーティー券を購入した。新政治研は小沢氏を含む与野党議員や地方自治体首長らに幅広く献金していたのに対し、未来研の献金先は▽陸山会▽民主党岩手県第4区総支部(02年まで自由党岩手県第4区総支部)▽民主党岩手県連の3団体に集中。02年以降でみると、3団体に1400万円以上を献金したが、他の政治家にはパーティー券購入を除き、献金した実績はない。

 捜査関係者によると、西松建設は十数年前から小沢氏側に年2500万円前後を献金するのが慣例化し、総額約3億円に上る。特捜部もこうした事実を把握、大久保容疑者が政治家個人への企業献金が全面禁止された00年以降も、違法な献金と認識した上で、政治資金収支報告書に未来研や新政治研からの献金だったと虚偽の記載をしたとみている。

 ◇他議員の会計責任者聴取も

 東京地検特捜部は、西松建設OBが設立した二つの政治団体から献金を受けた小沢代表以外の与野党国会議員の会計責任者らから事情聴取する方向で検討を始めた模様だ。

 捜査関係者によると、複数の同社幹部が新政治研などを通じた献金について、「実際は西松建設の金だと相手に伝えた」などと供述しており、献金を受けた側の認識について事情を聴く必要があると判断したとみられる。

 04~06年の政治資金収支報告書によると、新政治研などからの献金先は小沢代表関連以外に、尾身幸次元財務相の「幸政会」(400万円)▽森喜朗元首相の「春風会」(300万円)▽山岡賢次民主党国対委員長の「賢友会」(200万円)▽山口俊一首相補佐官の「政経創造研究会」(同)--など。

毎日新聞 2009年3月6日 東京朝刊

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