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米軍艦、本土復帰初の石垣寄港 市長・地元、反対の声

2009年4月3日15時0分

写真:石垣港に入港する米海軍の掃海艦パトリオット。岸壁からは抗議の声が続いた=3日午前8時15分、石垣市、松川敦志撮影石垣港に入港する米海軍の掃海艦パトリオット。岸壁からは抗議の声が続いた=3日午前8時15分、石垣市、松川敦志撮影

 在日米海軍の掃海艦2隻が3日午前8時すぎ、沖縄県石垣市の石垣港に入港した。米軍は「乗組員の休養と友好・親善のため」としている。同港に米軍艦艇が入るのは沖縄の本土復帰後、初めて。入港に反対してきた港湾管理者の大浜長照市長は緊急記者会見を開き、「強制された友好・親善はあり得ない。基地のない島に軍艦が停泊しているのは大変異様な光景だ」と憤りをあらわにした。

 入港したのは、佐世保基地(長崎県佐世保市)の掃海艦「パトリオット」と「ガーディアン」。米軍からの通知によると、上陸人数は計128人で、5日正午に出港予定。

 2隻が沖合から港に近づくと、岸壁では労働組合や平和団体などが抗議集会を開き、約50人の参加者が「軍隊は来るな」「市民は反対してるぞ」と大声を張り上げた。

 遠巻きに見守る市民も多く、ある主婦(60)は「この島は基地ではないし、軍港でもない。米軍はいつでも自由に立ち寄れる港にしたいのだろうか」と不安げだった。

 市は3月初めに米側からの通知を受けて以降、一貫して反対の立場を取ってきた。しかし、日米地位協定は米軍の民間港湾の使用を認めており、自治体に拒否する権限はない。米軍は07年5月にも同港への入港を市に打診したが、大浜市長が反対したため断念。同6月に沖縄・与那国島の祖納(そない)港に入港した経緯がある。外務省によると、全国の民間港湾への米軍艦の寄港は過去5年間、17〜28隻で推移している。

■知事「地元の意向に反し入港、疑問」

 沖縄県の仲井真弘多知事は「地元自治体の意向に反し、親善・友好を目的として入港したことには疑問を呈さざるを得ない。米軍基地が集中する本県においては、米軍は米軍施設を使用すべきで、緊急時以外は民間港湾を使用しないよう自粛を強く求める」などとするコメントを出した。

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