大阪・ミナミ　会社の事務所で社長刺殺か

　３日午前１時半ごろ、大阪市中央区島之内１丁目のビル５階にあるインターネットサイト運営会社「新和観光」の事務所から「人が倒れている」と１１９番通報があった。救急隊が室内で血まみれで倒れている男性を見つけ、市内の病院に搬送したが、約１時間後に死亡が確認された。首などに刃物によるとみられる傷があることから、大阪府警は殺人事件とみて捜査している。

　捜査１課や南署によると、死亡したのは同社社長の新井勇三さん（３６）＝大阪府東大阪市俊徳町５丁目。男性社員が会社に戻ったところ、事務所出入り口のドアが施錠されておらず、中で新井さんが仰向けに倒れているのを見つけたという。首や胸、背中などに切り傷や刺し傷が十数カ所あり、救急隊が駆けつけた際にはすでにほぼ心肺停止の状態だった。

　事務所内に物色された形跡はなく、凶器とみられる刃物も見当たらないという。このビルは午後８〜９時ごろには表玄関が施錠され、専用のカードキーを使って裏口から出入りしなければならないという。また、現場近くのコンビニエンスストアのトイレ内で血痕が見つかり、事件との関連を調べる。

　同課などによると、殺害された新井さんは、インターネットサイトでホストクラブを紹介する新和観光を経営していたほか、別の社名で大阪で貸金業を営んでいたこともあったという。

　大阪市内のホストクラブの店長によると、同社のサイトは人気があり、「このサイトでうちの店を知り、来店する客も多かった」と話した。

　現場は大阪・ミナミの繁華街の一角で、南署の東約１００メートル。