北海道新聞　Hokkaido Shimbun Press

　【千歳】千歳市内の中学一年の女子生徒（１３）が飛び降り自殺を図り、重体となっている問題で、生徒の通う学校が、問題発生直後の昨年六、七月に行った生徒への聞き取り調査の内容を記したメモなどを独断で廃棄していたことが三十一日、分かった。関係者によると、廃棄した内容には、いじめをうかがわせる証言があったという。

　女子生徒が飛び降りたのは昨年六月十九日。市教委によると、学校は六月二十、二十三、二十四日に同級生ら計四十人、七月九、十日に同級生計三十人の延べ七十人に聞き取り調査を行った。聞き取った手書きのメモやパソコン上のデータは、担任や教頭が集約した。

　学校は女子生徒へのいじめをうかがわせる証言については、いじめたとされる本人が否定した場合は、事実でないと判断。メモやデータは内容をとりまとめる都度処分し、両親への報告書や両親が開示請求した生徒への聞き取り内容の記録にも掲載しなかったという。

　市教委は三十一日の取材に、女子生徒が「うざい」と言われたり、大声で責め立てられた場面を見聞きし、聞き取り調査でそれを学校側に伝えていた同級生がいたことを認めた。これまで学校、市教委ともに「いじめを見聞きした生徒はいなかった」としていた。

　ほかにも同様の証言があった可能性があるが、市教委は「データが廃棄され、確認できない」としている。

　メモなどの廃棄について学校側は「（事実を）まとめて整理したので問題ない」としている。