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「話さないと飼い猫ミイラに」取り調べ中禁止行為24件

2009年4月2日12時52分

 容疑者の取り調べの様子を監督する制度で、昨年9月〜今年3月末に全国の警察で24件の禁止行為が見つかったことが2日、警察庁のまとめでわかった。同庁は「『この程度なら問題ない』との誤った認識が背景にある。指導を徹底したい」としている。

 対象としたのは任意での取り調べを含む約53万件。禁止行為は、捜査部門以外の警察官が透視鏡からのぞいて目撃したり、弁護人などからの苦情を受けて調査した結果、判明した。

 この制度では、容疑者への禁止行為として(1)身体への接触(2)不安を与えたり、困惑させたりする言動(3)便宜供与(4)本部長や署長の承認なしの午後10時以降や1日8時間超の取り調べ――などを規定している。昨年12月時点で15件の禁止行為が発見されていた。

 新たに見つかった9件は、(2)1件(3)5件(4)3件。(2)では取り調べに立ち会った警察官が容疑者に「早く(真相を)話さないと飼い猫がミイラになっちゃうよ」と発言した。(3)では取調官が自分の金で購入した飲料を与えたり、携帯電話で通話やメール送信をさせたりしていた。

 いずれの事案でも、取り調べを担当した警察官は、「それほど悪質ではない」として懲戒処分ではなく口頭で注意を受けたという。

 この制度は相次ぐ冤罪・無罪事件の再発防止策として、昨年9月から全国警察の一部警察署などで試行を開始。今年2月以降は全警察署で試行され、4月から本格実施されている。(野田一郎)

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