【静岡】手に職生かし不況乗り切る ブラジル人グループが手作り装飾品販売2009年4月2日 4日、浜松駅南商店街の朝市に出店
非正規雇用の外国人が派遣切りに遭うなど苦境に立たされるなか、日系ブラジル人のグループが、自らの技術を生かした自立を目指している。手芸など手仕事の得意な男女10人が、4日から浜松市中区の砂山銀座サザンクロス商店街の朝市で、手作りの装飾品などを売るという新たな挑戦を始めることになった。「自分たちの力を引き出して、不況に立ち向かいたい」と、代表の阿波根アデライドさん(48)=中区=は話している。 (報道部・梅田歳晴) このグループは、2カ月前に立ち上げた「フシコ ブラジル」。「フシコ」はポルトガル語で「つながる・ひろがる・心をこめる」の意味がある。 「不況で苦しい今こそ、ブラジル人同士の結束が大切」という阿波根さんの呼びかけに集まったのが、ブラジルで家具職人や刺しゅう細工などの経験があり、技術に自信のある計10人。4カ月前に派遣切りに遭った人もいるという。 朝市の露店にはピアスや指輪やストールといった手芸、衣料品など手作りの約100点が並ぶ予定。阿波根さんは「私たちの技術を見てほしい」と自信をのぞかせる。 「フシコ」が目指すのは、ブラジル・サンパウロにある日系人が創設した観光名所の市場「プリサダ リベルダーディ」。日本をはじめ各国の工芸、衣類、装飾品が集まり、ダンスや楽器演奏もあって多くの人種が行き交う。阿波根さんは「小さな一歩だけど、いつかはそんな場所に」と思いをはせていた。 商店会の代表鈴木実さん(73)も「話題性があるし、珍しいものを売ってもらいたい」と期待を込める。もともと、8年前に始めた朝市は商店街の活性化が目的。現在も毎月第1、第3土曜日の午前10時から、県西部地域の生産者らが約30店舗を並べ、野菜やハチミツ、菓子など食品を中心に販売している。鈴木さんは「できるだけ長く続けて」とエールを送った。
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