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毒ギョーザ事件:同僚が混入か…「天洋」社員ら疑心暗鬼

 【石家荘(中国河北省)浦松丈二】日中双方で中毒事件を起こした冷凍ギョーザの製造元「天洋食品」(河北省石家荘市)の工場では1日、捜査車両とみられる乗用車が重い扉を開けて出入りしていた。同社の社員たちは冷凍庫内での殺虫剤メタミドホス混入という「内部犯行」が強く疑われていることを会社側から知らされており、同僚を疑って疑心暗鬼になっていた。

 工場正門の警備職員は「最近は毎日のように捜査員が工場に来ている。きょうも公安から間もなく来ると連絡があった」と打ち明けた。数分後、捜査員とみられる男性5、6人を乗せた大型乗用車が正門から敷地内に入っていった。

 事情に詳しい社員によると、公安当局は昨年秋以降、冷凍庫を管理する複数の社員の身柄を断続的に拘束して事情を聴いている。政府研究所で行われている注射器と段ボールを使った裏付け実験も社員の供述に基づく可能性がある。

 メタミドホスはごく少量でも強い異臭を放つため、大勢の職員がいる生産段階での混入はほぼ不可能とみられている。公安当局は社員100人余りと臨時工数百人からの聞き取りを通じて混入可能場所を一つ一つ消去し、冷凍庫周辺に絞り込んでいた。

 工場は生産を停止しているが、社員たちは捜査協力のため出勤を命じられており、敷地内に入った捜査員たちを気にしている様子がうかがえた。生産停止後、社員たちは残業や夜勤などの手当がなくなり、給料が半減したという。

 社員の一人に物陰で声をかけると「このまま倒産を待つか、新しい仕事を探すか。容疑者が一日も早く逮捕され、仕事が再開できる日が来てほしい」と話した。

毎日新聞 2009年4月2日 2時30分

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