アルテリーヴォ和歌山 柴監督インタビュー
スピリット・シンプル・スピーディー“3S”で飛躍めざす

            
 和歌山からJリーグ入りをめざすサッカーチーム「アルテリーヴォ和歌山」。2年目となる今年は、アルビレックス新潟でのプレー経験を持つ柴暢彦監督(33)が指揮を執る。4月13日(日)から公式戦が始まるのを前に話を聞いた。(文中敬称略)


---アルテリーヴォの監督を引き受けたのは
 ここ3年あまり、小中学生を指導してきて、「そろそろ環境を変えたい」「Jリーグをめざしているチームで挑戦したい」との思いが芽生え始めていました。そんな時、Jリーガーの引退後を支援する「Jリーグキャリアサポートセンター」からアルテリーヴォが監督を探していると聞きました。チーム関係者から熱い気持ちが伝わり、引き受けることにしました。
---どんなチームづくりを進めていきますか。
 スローガンは「スピリット」「シンプル」「スピーディー」の“3S”。これは新潟に所属していた時の監督で、現在オリンピック日本代表監督を務める反町康治さんがよく使っていた言葉です。反町さんは選手と積極的にコミュニケーションを取り、納得するまで説明してくれました。選手とのコミュニケーションは私も大事にしてゆきたい。
---4月6日に行ったグラスポ柏原(関西2部)との練習試合は3対0で勝ちました。
 改善点はありますが、点を取れたこと、何より失点をゼロに抑えたことは満足。各選手をいろんなポジションでテストし、システムもいくつか試したい。
---今年(2008年)は選手も兼任するそうですね。
 ブランクがあるので、徐々に体を動かしてゆきます(笑)。自分が試合に出ることで、中からアドバイスできれば。
---柴監督自身、Jリーグ昇格前の大分、草津でプレー経験がありますが、Jリーグに上がるために必要なことは。
柴 何より勝って結果を出すこと、そして上をめざす気持ち。サポーターの力も大きいですね。新潟時代はJ2でしたが、4万人近くのお客さんがスタジアムに来てくれました。選手にとっては本当に大きな力になります。
---最後に今年の目標を。
 リーグ戦はもちろん、全国大会につながる3つの県内トーナメントで優勝をねらいます。全国大会では同じようにJリーグをめざしている他府県のチームと対戦できます。そんな試合を通じ、自分たちの力を感じ、高めてゆきたい。あと、地域の子どもたちを教える機会を増やしたい。教室でふれあった子どもたちが試合会場に来てくれ、教えた選手のプレーを間近で見る。そんな形で交流が深まってゆけばと思います。

写真=ホワイトボードを使って選手に指示を出す柴監督

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 公式戦日程はホームページ(「アルテリーヴォ」で検索)で。

柴暢彦 1974年、大阪生まれのDF。福岡大時代の95年、ユニバーシアード日本代表として福岡ユニバーシアード優勝。97年に大分(当時JFL)入団。99年に新潟(当時J2)へ。03年の草津(関東2部)で一時引退。04年からFC岸和田で小中学生を指導。