アリサワ華族

(2009/04/02 Thu)
どもです。



この一連の語りは私の心の内に留めておくつもりでいましたが
色々と見てきた中でどうしても指摘しておかなければと想い
このブログでポツポツと書き記していくことにしました。



まず最初に、私はガンダムという作品を愛しています。

元々子供の時に最初のガンプラブームに乗る形で
以降ずっと模型を中心にガンダムを観て来ました。
なので別に00アンチとかそんな話ではありません。
寧ろ愛しているからこその発言です。


キャラクターに対しては思い入れが無いこともないですが
基本的にメカメカしいのが好きで、その点ばかり追求し、
結果的に模型もそんな感じの仕上げばかりしてます。



ただ、今回の00は今までよりも
作画、スタッフ、役者(声優)、出版、その他裏方を間近で見ていたため
個人的に思いの外、関わっている人たちの思想というものを肌で感じてしまいました。

私自身は元々小規模でのゲーム関係の仕事が多いため
アニメの現場は自分が製作で関わったゲーム絡みの話や
元々のそっち業界での知り合いの仕事でしか細かいところまで知りません。
このような他メディアを宣伝だけではなく、派生する仕事として大勢巻き込んでの
大規模製作体制というものにあまり縁が無く、それらを見ていて感心していました。

ですが、媒体は違えど物造りを生業とする人たちには、
ある種の共通の精神があると思います。
00にも当然そういう精神は感じました。



ですがどうにもやはり居るものですね…
そういう人達の中でもああいう思考の浅い人達…
しかも今回は製作の中心近くにそういう思考の人が複数いました…
私は話を聞いて愕然としました。
この思考はないわ ΣΣ( ̄◇ ̄;)! 本当にそう思いました…



色々と突っ込んだ話をするうちに大体把握できてきたのですが
私のこの疑問はアニメ業界の体質に問題の根があると思いました。


アニメ業界は基本的に書類、契約書のような物がありません。
各個人がクリエイターであり個人事業主であるにも関わらず
請け負う仕事に対して書簡を通じてのやり取りが皆無です。
これは普通に社会人として異常です。


請け負った仕事に対して確定された規約が法的には基本、存在しないのですから…
アニメ製作でよくあることですがアニメの作画の良し悪しは
監督の持つ個人的な人脈で確立されてしまう事があります。
00はサンライズ製作ということでそこまで極端なことはありませんでしたが
こういう現実自体がそもそも異常です。


プロのクリエイターが仕事を請けるのに条件や金銭的な提示より
そんなあやふやな人脈中心で人を集めることからスタートとはアホな話です。
口約束だけで人を集めて結果、仕事を適当に放り出すが違約金の類も何もない。
アニメ製作はそんな話が山盛りです。


それゆえに調査が入ったり、近年はやっと業界団体も設立されました。
ですが、まだそれは業界の仕事の規模に対しての法的な整備が入り始めた段階です。
でもはっきり行って遅すぎです。


断言します。
作品単位で動いてるお金(クリエイター単位ではありません)や
各人材の持つスキルはプロでも、やられている、強いられている仕事の環境は幼稚です。
上の煽りを喰らってるのは現場の人達だと思います。

こんな中、中途半端に有名な作品にアニメを知らない他業種がスポンサーとして入ってきて
作品そのものも食い荒らされたり、馬鹿な突っ込みや横槍で捻じ曲げられています。
(この辺の話は色々在り過ぎて書けないので機会があれば後々語るかもということで)

00は関わっている各クリエイター個人の技には私も感心しています。
絵描き然り、声優然り、各人の涙ぐましい努力も間近で見てます。


ですがなんですかあの上の仕切ってる人の頭の中は?


こんな話が多すぎます↓

・そこは設定無いからわからない←箇所は避けますが無いことでペラペラになってます。
・本編で書かない場面は作っても意味がない
・あの声好きだからあいつはまだ一期で殺さないでまた出そう



アホ過ぎる…




個人を形成するために必要な設定が無いから薄いキャラが一杯出ましたよね?

本編で書かないのに本編でそういう事があったという前提で小説出してますよね?

殺さないで出したキャラって二期で意味ありましたか?



こんなに物語に芯がなくて、誰が何を述べても、誰が死んでも
まったく心に響かないガンダムは初めてです。





00は設定は秀逸でした。
太陽炉の設定や、その理屈から来るであろうガンダム達の動き、
フラッグの機体設定などもSF的には使い古されてしまったかもしれないファクターを
面白い切り口で期待できる物にしていたと思います。


でも結局本編で生かし切れない有様でした。
挙句SF用語の間違いもあり、しかもそのままそれを通してしまいました。
私の周りのCG屋はSF好きが多いですがみんな少し口が開いてました。
トドメは何を思ったのか、全て刹那の能力とGN粒子で解決させる力技で閉めてしまい
結局はあの結末です。


…あれで綺麗に終わったと思っていられる神経が理解できません?
本当に綺麗に終わったと思っているんですよ。
信じられますか?


皆さんの記憶に新しいところで述べると物語最後に木星が出てきた意味。
あれはどう解釈されたのでしょうか?
本編で太陽炉の話をもう少しきっちりやれていれば、TDブランケットの事にも触れていれば、
最後に木星が出ていた事に、もっと大きな意味があったと思います。






尺が足りないからと削った所は
本当はもっと書かなければならなかった所ではありませんか?

書いた部分で、実際は無くても物語成立に問題ないところありませんか?



中にはどうしてもスポンサーの意向で
決められた回数を本編で使わなければならないモノがあったかと思います。

でも、それにしてもあの描き方は…





物語の中で各人がその行動を取るために、何かしら信念があると思います。
信念にはそれを形成するに足る過程やキッカケがあります。
戦争を描く上ではこの点は絶対に必要です。
でないと薄っぺらい話になってしまいますし
態々戦争なんてシロモノに各個人が各々の思想を持った状態で出てくる意味がありません。
要らないというのであればもっとドキュメンタリー的に構成すべきです。


ガンダム00は必要なキャラクターの堀下げを特定の絞った主要キャラでするでもなく
かといって第三者的に戦争を描写して、物語を見た者に問いを出すでもなく、
ただやりたかったことの要点を掻い摘んだだけの
結果的に非常に残念な薄っぺらく、
物語があるようで実は何もしっかり描けてない作品になってしまいました。


各クリエイター個人が、そうしたありもしないバックボーンを模索して悩んだり
己がスキルを磨くために担当した箇所に心血注いだりという
場面場面ではグッと来る所もありました。

でも物語としては ?????なんだコレ???? という仕上がりになってしまいました。
お金をかけても、いいスタッフがいても、志があっても、
活動的な馬鹿が勘違いをするとどうにもなりません。
誰かが言いましたよね?


…すいません…少々ヒートアップして申し訳ありません。
言いたいことはまだまだありますし、書けないことも山程あります。
批判するというよりガンダムなんだからもっとなんとかしてくれ、

間違っても
失敗してもいいからやるとか
生み出したキャラクターを冒涜するような発言をしないでくれ、
そういう想いで書き記しています。

己が未熟で後々想い返した時に過去を否定するクリエイターはまだいいです。
ですが現在進行形で失敗だの駄目だの否定発言から製作に取り掛かるのは見るに耐えない…
ガンダムという作品に限ったことではありませんが、思いつきをアイデアと捕らえて
その選択をごり押ししてしまうことがあると思います。
00は何を語ろうとしたのですか?

今そんな気持ちで模型触ってます。
寂しい気分です…
生かせる設定を殺し、要らない物を付け足した結果がこれだと思います。
劇場版がそうならないことを祈ります。









※【次回更新は4/7日を予定しています】



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