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県医療局:無床化スタート 患者らに嘆きと憤り /岩手

 県立病院・地域診療センターの無床化を柱にした県医療局の新経営計画が1日始まり、5診療センターで無床化が実施された。3月25日で18人いた入院患者は他の医療機関や自宅などに移り、各19の病床は休止された。訪れる患者らは医師不足という課題の大きさを嘆きつつ、県の手法や説明に憤りを見せた。【山口圭一】

 基幹病院への患者や家族の足を確保するとして運行を開始したジャンボタクシーの第1便が午前9時、乗客がいないまま花巻市の大迫地域診療センターから県立遠野病院へ出発した。

 同センターは00年、15億3400万円をかけて52病床を収容する設計で建て直した。混雑する同センター診療棟と扉一枚隔てた入院病棟は、ベッドが廊下に並ぶだけ。患者を搬送してきた救急車も、十数分後に別の病院に向かった。

 診察に来た紫波町佐比内、無職、石杜佳昭さん(81)は「見通しもなく改築したのか。筋が通らない話だから知事は土下座したのだろう」と憤った。一方で、年1、2回、同センターに入院を繰り返したという同市大迫町の無職、小松浪子さん(82)は「不安ですが、あきらめるしかないですね」と話す。

 県医療局によると初日、ジャンボタクシーは5カ所で患者・家族の利用はなかった。

 ◇  ◇

 県は1日、医師確保対策室を医師支援推進室に改組した。県内で初期臨床研修を受ける医師数(今年度74人)を伸ばし、勤務医の定着を図るという。達増拓也知事は「(地域医療の崩壊を防ぐ)体制は作らせて頂いた。ここからが本当の勝負」と会見で述べた。

 新経営計画では、5カ所で無床化を実施したほか、今年度中に8病院で計241病床を削減する。60病床ある沼宮内病院も来年度に休止予定だ。経常収支で08年度29億8200万円の赤字を11年度に黒字化するとしている。

毎日新聞 2009年4月2日 地方版

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