準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)から違法な企業献金を受け取っていたとして、東京地検特捜部は3日、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)ら3人を政治資金規正法違反の疑いで逮捕し、小沢氏の資金管理団体「陸山会」(港区)を家宅捜索した。大久保容疑者は否認しているとみられるが、捜査の行方は政界にも大きな影響を与えそうだ。
ほかに逮捕されたのは、西松建設前社長、国沢幹雄(70)=外為法違反で起訴、元同社総務部長、岡崎彰文(67)両容疑者。
逮捕容疑は、陸山会の会計責任者だった大久保容疑者が03~06年、西松建設から計2100万円の献金を受け取りながら、政治資金収支報告書には同社OBが設立した二つの政治団体からの献金だったと虚偽の記載をしたとしている。国沢、岡崎両容疑者は西松建設の名前を隠して政治団体名義で陸山会に献金した疑いが持たれている。
政治資金規正法は00年以降、政治家の資金管理団体への企業献金を禁止。他の名義を使った献金も禁じている。これらの規定が適用され、刑事事件に発展したのは異例だ。
同社関係者によると、小沢氏側に献金していたのは同社OBが設立した政治団体「新政治問題研究会」(95年設立)と「未来産業研究会」(98年設立)の二つで、ともに06年末に解散した。この2団体の会費は、部課長クラス以上の一部社員が現金で支払い、あとで会社が賞与に上乗せする形で補てんする仕組みだったとされる。外為法違反事件で、捜査対象となった裏金は使われていないとみられる。
毎日新聞 2009年3月3日 17時52分(最終更新 3月4日 0時19分)