今日の視点
『4月の株式市場に影響を与える材料とは』【森田レポート】
予定通りに行動しない
世の中の多くの人は、予定を決めたら予定通りに行動します。特に日本では、そういう人ほど信頼され、予定をたびたび変更する人は嫌われます。
山登りをする人には、このナンセンスが分かるかも知れません。天気予報を見ながら作った行程であっても、予想外に荒れた場合には中止するでしょう。その日のために1年間かけて体力作りをしてきたとしても、体調が悪く判断力が鈍っていると思えば止めるでしょう。
株式投資も同じです。自分でシナリオをつくるのではなく、株式市場が『今、行動すれば儲かる』という時にだけ行動することです。決めたから『動く』という動き方は、リスクが高すぎます。
(1)明日の夜からロンドンでG20が開催されます。一部では、このG20によって株式市場が再び上昇を開始するといっています。それは、IMFが初の債権発行によって資金を調達して、新興国の金融支援を行う(過去の3倍の支援額)・規模は24兆円から72兆円に大幅に増加される方向です。
(2)オバマ大統領はGMに2ヶ月、クライスラーに1ケ月の猶予を与えて、国民が納得できる再建策を提示することと、GM最高責任者の辞任を要求しました。今回の違いは、ゴネ得を許さないという姿勢を示したことです。
これによって、労働側と債権者側に選択権が与えられましたので、あとは『労働側と債権者側が譲歩するかどうか』にかかっています。
通常ならば、ゼロよりは良いから妥協するはずですが、政府は潰せないと思えば、交渉決裂でGMが破綻する可能性もあります。
この場合には、その前に『GMの破綻を株式市場が織り込めば=大きく下がれば=問題はありません』が、織り込んでいなければ、再度株式市場が大幅に下落する危険性があります。
(3)今日にも麻生総理が補正予算の編成を指示し、4月中旬にも発表します。また、4月中旬にも追加の景気対策が発表されることになります。
(4)4月中旬には米国で企業の1〜3月期決算が発表されます。現在発表されている決算は12月決算で、10月以降の金融恐慌につながるダメージが少ないのでプラス決算も出ていますが、その企業でも1月以降は業績が非常に厳しくなっていると、ある銀行の担当者は言っていました。
つまり、3月決算企業では6ヶ月間、金融恐慌の影響を受けていることと、もうひとつは『底打ちと上昇が違う』ということで、4月中旬にも発表される企業の3月期決算と、今後の決算予想は、株式市場に大きな影響を与えるかもしれません。
問題は何か
『底値横ばい』と『底打ち上昇』は違うということです。今年後半にも景気は回復すると米国で言っている政府高官もおりますが、回復とは『どういう意味か』ということです。
ここで問題になるのは、底打ち横ばいだとしても、それは『下落トレンドが変化』することになります。そうなりますと、今の世界の株式市場の水準は『経済が横ばいになった』としたら、割安なのか、それとも妥当なのか、割高なのかということです。
ここまで経済が収縮して横ばいになったとすれば『日本を除く世界の株式市場は割高』ではないかと思います。何故ならば、日本は1982年水準を割り込みましたが、米国の1982年のNYダウは777ドルですから『まだ10倍』高い水準にあるからです。
もし、横ばいではなく『急回復する』のであれば、日本を除く世界の株式市場の水準は将来の成長を加味すれば『割高』ではないかもしれません。
(5)政局と政変
千葉の知事選で民主党が負けたことで、小沢代表下ろしが始まるかもしれません。ここで、民主党が醜態を見せれば『意外に早く、解散・総選挙』が行われるかもしれまん。
今日の新聞でも、小沢代表はひたすら低姿勢で代表の椅子にしがみついていると書いてありましたが、歴史を変えると言い切った人が『最後に私欲』に走るのは醜い以外のなにものでもありません。
フィギュアスケートで浅田真央ちゃんが4位になりました。かわいそうという声が多かったのですが、私は『グランプリがラッキー』であって、今回の4位は上出来ではないかと思います。
それは真央ちゃんに全く自信がなかったからです。キムヨナは『滑るたびに進化』していましたが、真央ちゃんは『滑るたびに技術が後退』しているように見えました。
何故か、それは『練習量の違い』だと思います。
真央ちゃんを置いてロシアに帰ってテレビ出演をするような人を『コーチ』にしている真央ちゃんは『普段の練習は楽』かもしれませんが、楽と引き換えに技術を失ったのだと思います。
逆に安藤美姫の場合には、体が故障して満足に練習できない時に、コーチが練習できないならフィギュアをやめろと言い、全く甘やかしませんでした。つまり、キムヨナがずば抜けて練習量が多く、続いて安藤美姫が多く、真央ちゃんは練習量が少ないから、見る度に技にキレがなくなったのだと思います。
真央ちゃん復活の前提条件は『厳しいコーチに変える』ことだと思います。
小沢代表も同じで、鳩山幹事長が『駄目なコーチ』だから、民主党の歴史的な転換点で小沢代表をあまやかしているのです。
昔の自民党であれば、幹事長が自分を捨てて自民党を助けたりしていましたが、今の民主党には『そこまでの戦略が実行できる政治家がいない』ということになります。つまり、民主党に政治を任すことは『非常にリスキー』だということを、今回の小沢騒動が示してしまったことが、今後の民主党にとっての最大のタメージではないかと思います。
投資戦略と戦術
今日の後場に株式市場が急騰すれば『空売り』をしようと思っています。しかし、昨日、私が空売りしようと思った銘柄は金曜日の高値から10%以上も下落してしまっていたり、8%下落していますので、現在の水準で『短期勝負』をするのは『割りに合わない』と思っています。
したがって、リスクが高いということになれば、次の下落を待って『買い』で勝負すれば良いと思っています。株式投資で重要なことは、自分でシナリオをつくるのではなく、市場が『今、行動すれば儲かる』という時にだけ行動することです。
決めたから『動く』という動き方には意味がありません。動くという意味は、勝つ確率が高い時にだけ動くということだからです。
つまり株式市場がどちらに動いても良く、動いた結果に応じて『投資戦略と戦術を修正』すれば良いのです。
レポート担当 : ケンミレ株式情報 森田謙一