銚子市立総合病院の診療休止問題をめぐり、市民団体が求めていた解職請求(リコール)に伴う住民投票で、岡野俊昭市長(63)の失職が決まった。市は公設民営方式での診療再開を目指し、指定管理者となる医療法人の審査を進めているが、再開のめどがたたないまま出直し選挙に入る。市選管によると、告示は5月の連休明けの見通し。【新沼章、立上修、駒木智一】
市長支持派の市民団体「真実の会」事務所には29日夜、約40人が集まって開票結果を待った。「解職賛成多数」の一報が流れ、会見した岡野市長は「入院されていた患者、家族、働いていた方々に大変申し訳なかったと思うが、後で病院側から『入院患者の命を守れない状態だった』と聞いた時、休止の決断は間違っていないと思った」と述べた。
「住民投票で負けても再出馬する」と強気だったが、大差にショックを隠せない様子で、「立候補は支持者と相談して決める」と慎重な姿勢。支持者からのねぎらいの言葉に、岡野市長は何度も「仕方ない」と繰り返し、開票結果を待たずに事務所を後にした。
一方、リコール運動を進めた市民団体「何とかしよう銚子市政・市民の会」の事務所には約30人が集まって開票結果を待った。万歳による勝利宣言ではなく、病院休止後に亡くなった患者へ黙とうをささげて哀悼の意を表した。茂木薫代表(58)は「4月1日までには会としての候補を一本化したい」と述べ、候補者擁立を急ぐ考えを示した。会員によるアンケートで挙げられた数人の候補者を幹部会などを経て一本化するという。
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賛成 20958票
反対 11590票
毎日新聞 2009年3月31日 地方版