奈良放送局

2009年3月31日 17時39分更新

重篤患者受け入れ態勢 調査へ

3月21日、心肺停止となった生駒市の男性が、県内の6つの医療機関に受け入れを断られたあと死亡した問題で、症状の重い救急患者を受け入れる2つの救命救急センターからも断られていたことから、奈良県は、さらに詳しく調べて、受け入れ態勢の整備に向けて新たなルール作りを検討することにしています。
この問題は、3月21日、生駒市内の新聞販売所で倒れ、救急車の中で心肺停止状態になった63歳の男性従業員が、通報からおよそ1時間後に運び込まれた、大阪・大東市の病院で死亡が確認されるまでの間、生駒市と隣の奈良市のあわせて6つの医療機関に受け入れを断られていたものです。

奈良県が、6つの医療機関に聞き取りをしたところ、このうちの2つは、症状の重い救急患者を受け入れ、高度な手術などを行う救命救急センターを持つ、近畿大学医学部奈良病院と県立奈良病院で、「入院患者の処置中で対応できない」として、受け入れを断っていたことがわかりました。

ほかの4つの医療機関は、心肺停止の救急患者に対応できる態勢が整っていないなどとして断っていたということです。

今回のケースでは、奈良県内にある3つの救命救急センターのうち2つが、対応できなかったことから、奈良県では、「症状の重い救急患者の受け入れ態勢に問題がないか詳しく調べたうえで、受け入れのルール作りなど対策を検討したい」と話しています。