奈良放送局

2009年3月31日 17時39分更新

医師不足1人2診療所を兼務


深刻な医師不足の影響で、閉鎖したり、診療科を減らしたりする病院が相次ぐ中、奈良県でも、南部の山間部で医師が足りなくなったため、1日から、1人の医師が、10キロほど離れた2つの診療所を兼務することになりました。

対象となるのは、十津川村にある上野地診療所と、五條市にある大塔診療所の2つです。

奈良県では、山間部などにある公立の診療所で働く医師のおよそ6割が地域医療に貢献する医師を育てるために、都道府県が共同で設立した自治医科大学の卒業生で、毎年、数人の卒業生が大学から派遣されています。

しかし、診療所の医師の高齢化にともない診療所を離れる医師の数が大学から派遣される医師の数を上回り、新年度から公立の診療所の医師が県全体で1人足りなくなりました。

そのため、1日から地理的に近く、1日の患者数が比較的少ない十津川村と五條市のあわせて2つの診療所を1人の医師が兼務することになりました。

医師は、原則、平日の午前は五條市の診療所で勤務し、午後は、10キロほど離れた十津川村の診療所に移動して診察します。

診療所への医師派遣を担当する県地域医療連携課では、「今後も医師が足りなくなる恐れがあり、若手の医師に山間部の診療所で働いてもらえるような研修プログラムを作るなど対策を検討したい」と話しています。