全国の病院の医業収支(医療での収入と経費の差)の赤字額が08年に、ベッド数100床当たり月約1261万円に上ったことが、全国公私病院連盟(竹内正也会長)と日本病院会(山本修三会長)の調査で分かった。67年の調査開始以来最も赤字額が大きかった。コストカットを優先する病院が多い中、診療報酬だけでは経費を賄えない現状があるとみられる。
全国の病院の約4割にあたる3412病院に対し、08年6月1カ月の医業収支などを尋ね、1206病院(回収率約35%)が回答した。
医業収入は100床当たり約1億3609万円で、対前年比1.1%の減少。内訳は、入院収入が約9063万円(対前年比0.1%増)でほぼ横ばいだったが、外来収入は3.6%減の約3995万円と落ち込んだ。
一方、必要経費に当たる医業費用は約1億4870万円で、1.2%増えた。特に給与費の伸びが目立ち、1.3%増の約7791万円。100床当たりの赤字額は月約1261万円で、過去10年で最少だった00年(月約475万円)の倍以上に膨れ上がった。
また、医業外を含めた総収支でみると、黒字の病院は23.8%にすぎず、76.2%は赤字だった。【河内敏康】
毎日新聞 2009年3月31日 2時30分(最終更新 3月31日 2時30分)