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迂回献金の疑いあるゼネコン3社、胆沢ダム工事を受注

2009年3月14日3時2分

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 「西松建設」から民主党・小沢代表の資金管理団体「陸山会」への違法献金事件に絡んで、同社とともに小沢代表側に迂回(うかい)献金した疑いのある大手ゼネコン3社が03〜08年、岩手県の「胆沢(いさわ)ダム」(国土交通省発注)の主要な工事などを受注していたことがわかった。

 同ダムは、総事業費約2440億円に達する東北地方で最大規模の公共工事。この一部を受注した西松建設関係者が、受注は東北地方で影響力を持つとされる小沢代表側への献金の成果だったと認識していたことが既に判明している。

 こうした事情などから東京地検特捜部は、ゼネコン各社も同じ趣旨で代表側に献金を続けていた疑いがあるとしてダム工事をめぐる受注経緯の解明を捜査の焦点の一つとしている模様だ。

 さらに、小沢代表の公設第1秘書と陸山会の会計責任者を兼任する大久保隆規(たかのり)容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=らが、献金をしていた各社にダム工事などの受注で便宜を図った事実がないかなどについて、東北地方の建設業者らから事情聴取を進めているとみられる。

 小沢代表側に迂回献金をしていた疑いが持たれている大手ゼネコンは、「清水建設」「大林組」「大成建設」の3社。これに、西松建設と準大手ゼネコン「戸田建設」を加えた5社がそれぞれ、代表側に献金した1年分の金額一覧と、下請け業者などを介在させた手法を示す内容を記載した資料があったとされる。5社分を合わせると、1年間に1億円前後だったという。

 2013年の完成を目指して建設が進む胆沢ダム(奥州市)の工事では、大手3社のうち清水建設が、他のゼネコン2社との共同企業体(JV)で本体工事(04年に第1期、08年に第2期)を計約438億円で受注。大成建設は、ダムの材料になる石の採取工事(05年に第1期、08年に第2期)を同じく3社JVとして約250億円で請け負った。また、大林組は2社JVで、工事全体の工程調整などをする業務を03年から08年まで毎年受注。総額は約11億円となっている。

 一方、ゼネコン業界に詳しい関係者は「業界は、小沢事務所はダム工事で大きな発言力があるとみていた」と証言。別の関係者も「胆沢ダムの工事については90年代から注目されていた」と話す。

 これまでの調べや関係者の話などから、西松建設は、東北地方でダムなどの大規模工事の受注を目指し、95年ごろからダミーの政治団体などを通じ、小沢代表側へ年間約2500万円の献金を開始したことが明らかになっている。実際、同社など3社JVも06年3月、胆沢ダムの工事を約100億円(後に約90億円に減額)で落札している。

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