戦時中、最大の言論弾圧事件とされる「横浜事件」の第4次再審請求で、横浜地裁は裁判を打ち切る「免訴」の判決を言い渡しました。
「横浜事件」は太平洋戦争中、雑誌編集者らおよそ60人が「共産主義の宣伝となる論文を雑誌に掲載した」などとして逮捕され、治安維持法違反の罪に問われたものです。このうち、有罪判決が確定した元被告の遺族2人が裁判のやり直しを求めて第4次再審請求を行っていました。
30日の判決で、横浜地裁は「免訴判決であっても一定程度は被告人の名誉回復を図ることができる」として、有罪・無罪の判断をせず、裁判を打ち切る「免訴」の判決を言い渡しました。
「無罪信じて老骨にムチ打って努力してきた。なんと報告すればいいか、怒りが込み上げている」(小野康人元被告の二男、新一さん)
弁護団は「控訴せず、刑事補償の請求で実質的無罪を勝ち取りたい」としています。(30日11:25)