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30/03/2009

教授たるに相応しい業績

 某宗教団体の発行する雑誌って,電車の吊り広告等で見出しを見る限り,特定の個人等を口汚く罵る記事が執拗に掲載されるという特徴があります。常々末端の信者はああいうのを見て却って引いてしまうのではないかと不思議に思っていました。

 それはともかく,学校教育法第92条第6項は,

教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の特に優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
と規定しているのですが,法科大学院を濫立させる中で,これといった著書・論文等がなく(法学系だと,紀要論文を含めた法学系の雑誌に論文が掲載されると,判例データベース運営者が提供する法律文献情報データベースで検索可能となるので,パソコン雑誌等畑違いの雑誌への掲載でない限りは論文の有無・ありかは分かりますし,畑違いの雑誌へのエッセイ等は普通「実績」に含めないようには思います(私も,ゲームラボへのコラム連載は実績に含めていませんし。)。),また実務家として特に優れた実績を有するわけでもない人を「教授」としているところもあるようです。法科大学院自体,政策的に「(法務)博士」号を濫発することが予定されているのだからそこでの「教授」号も他の教育機関と同視しなければ良いではないかという考え方もあり得るのですが,それでは「教授」たるに相応しい「研究上又は実務上の特に優れた知識、能力及び実績」があって法科大学院において「教授」に任命された人が(法科大学院の「教授」の価値が他の研究機関における「教授」よりもレベルの低いものとみなされかねないという意味で)お気の毒だという気も,一方でしてしまいます。

 もちろん,法文上は「研究上又は実務上の特に優れた……実績」となっていますから,研究上の実績が皆無であっても,実務上の実績が特に優れていれば問題がないとはいいうるわけですが,単に裁判官や検察官としての経験が十数年あるというだけでは,法律実務家としては当たり前の実績であって,「特に優れた……実績」とは言えないように思われます。「研究上又は実務上の特に優れた……実績」を有する実務経験者を集めるのは(特に,法曹養成機関としての実績がそれほど大したことがなかった)法科大学院にとっては大変だという事情はわからないではないですが,逆に言うと,そういうところまで無理をして法科大学院を創り,維持する必要はないのではないかと思ったりします。

【追記】

 当初のエントリーについて,自分が個人攻撃をされていると思いこんで,わざわざ事務所に電話をかけてこれを削除するように求めて来た方がおられましたので,より抽象度の高いエントリーに変更することと致しました。たぶん,著書・論文等の実績がない人を「教授」とすることが問題であると指摘すること自体を禁圧したかったのではないと善解させていただきましたが,「誤読」でしたらメールでご連絡下さい。>その方

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