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最終更新:2009年3月29日(日) 18時29分

ドイツ、アフガン帰還兵に「心の病」増加

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 アメリカのオバマ大統領は今週、ヨーロッパを歴訪し、アフガニスタンへの更なる派兵などを求める予定です。しかし、ドイツでは兵士の心の病が問題となっていて、増派に慎重な意見が広がっています。

 「ここで爆発テロが起きました。バスが100メートルほど吹き飛ばされたんです」(元ドイツ軍兵士 マルティン・イェーガーさん)

 ドイツ軍の元兵士、イェーガーさん。2003年、アフガニスタンで軍のバスを運転中、爆薬を大量に積んだ車が突然、突っ込んできました。死傷者は33人に上りましたが、イェーガーさんは奇跡的に助かりました。

 「みんな全身血まみれで、自分もそうでした。最も残酷だったのは、足を見つけた時。その足を袋に入れたが仲間のではなくテロリストの足でした」(元ドイツ軍兵士 マルティン・イェーガーさん)

 ドイツ軍は3500人の兵士をアフガン北部に派遣していますが、今問題となっているのが帰還兵の「心の病」です。PTSDを訴える兵士はこの2年間で4倍となりました。

 「例えば、レジの音を聞いた時に銃を構える音と錯覚したりします。トラウマを持った兵士にとっては、日常の出来事が(テロ遭遇などの)自分の体験と結びついてしまうのです」(ドイツ連邦中央病院 ブラース軍医)

 比較的安全とされてきたアフガン北部でも治安が悪化している状況が浮き彫りとなり、世論調査では国民の6割以上が、アフガンへの派兵は正しくないと答えています。

 イェーガーさんは、もともとバスの運転手でしたが、ハンドルを握るとあの時の記憶がよみがえり、仕事への復帰は断念しました。

 「何一つできなくなった・・・。すぐに震えが始まり、心臓の鼓動が激しくなりました。こうなるとは想像もできなかった。人生がめちゃめちゃになりました」(元ドイツ軍兵士 マルティン・イェーガーさん)

 オバマ政権によるアフガン協力要請にどう応えるのか。国内世論もあって、ドイツ政府は難しいかじ取りを迫られています。(29日17:41)