ナターシャ・リチャードソン、スキー事故で死亡

　カナダのモントリオール近郊でスキー中に転倒し頭部を打って重傷を負っていた女優のナターシャ・リチャードソンが18日（水）、移送先のニューヨークの病院で死亡した。45歳だった。

　リチャードソンは16日（月）、モントリオール近郊にあるモン・トランブランのスキー場で初級スキーの個人レッスンを受けていて転倒。頭部を打ったが当初は意識もあり、病院へ行く必要はないと主張していたという。しかし、頭痛を訴えていたため、１時間後インストラクターらの勧めで病院へ運ばれた（3月18日関連記事）。

　事故が起こったスロープは初心者向けのコースで、雪は軟らかく、湿っていたという。リチャードソンはヘルメットを着用していなかった。

　夫のリーアム・ニーソンはトロントで映画“Chloe”の撮影中だったが、事故の知らせを受けてモントリオールに駆けつけ、看病していた。

　17日（火）、リチャードソンはモントリオールからニューヨークの病院へ移送され、ニーソンと12歳と13歳の２人の息子、母のヴァネッサ・レッドグレイヴら、家族や親せきがニューヨークに集まっていたが、18日（水）、脳膨張のため家族の同意のもと生命維持装置が外された。

　リチャードソンは1963年、映画監督のトニー・リチャードソンと女優のレッドグレイヴの長女としてロンドンで生まれた。祖母のレイチェル・ケンプソン、叔父のリン・レッドグレイヴ、コリン・レッドグレイヴも俳優という映画一家に育つ。４歳のとき、父の監督した『遥かなる戦場』で子役としてデビュー。以後、Central School of Speech and Dramaで演劇を学び、主に舞台を中心に活動。1998年にブロードウェー･ミュージカル「キャバレー」でトニー賞を受賞している。代表作には『メイド・イン・マンハッタン』、母レッドクレイヴや真田広之らと共演した『上海の伯爵夫人』『いつか眠りにつく前に』などがある。