地域医療を担う医師を確保しようと、研修医を受け入れる県内12病院が28日、盛岡市内で医学部生を対象にした合同説明会を開いた。東北地方を中心に首都圏などの医学部生30人以上が参加。病院側は、指導する医師や現在働く研修医を出席させ、魅力や指導体制などをPRした。
新人医師は免許取得から2年間、勤務しながら実際の治療を学ぶ初期臨床研修が義務づけられている。必修化された04年度以降、県内では毎年57~75人を受け入れている。研修後も地域に定着する例が多いため医師不足の中、重視されている。
説明会は、学生に関心を持ってもらい病院見学につなげるのが狙い。県立磐井病院の研修医、澤田加奈子さんは「研修医が多い病院より1人が担当する症例が多く、学ぶ機会は多い」と体験に基づき魅力を説明。県立中部病院(現北上病院)で指導する曽根克明医師は「救急体制に力を入れるため研修医を増やしたい」と述べた。
一方、岩手医科大5年の男子学生(仙台市出身)は、首都圏で研修を受けることも検討中。「優れた指導医の下で学びたい」と見比べていた。【山口圭一】
毎日新聞 2009年3月29日 地方版