地域の力を結集して、広島市南区のマツダスタジアム(新広島市民球場)が28日、誕生した。完成の日を迎え、勇壮な「晴れ姿」を見届けた関係者たちは、感慨深い表情で喜びを語った。
各界トップで2004年11月、新球場建設促進会議を結成した。座長を務めた当時の広島県体育協会会長の多田公〓(こうき)さん(86)は、事業主体や建設地選定などで曲折した経緯を思い返し、「この球場は、みんなの気持ちが一つになった証し。次はどう生かしていくかを考えよう」と目を細めた。
広島商工会議所前会頭の宇田誠さん(74)は「まさに『ALL―IN(オールイン)』でできた球場」と、建設費を負担した地元企業の力添えをねぎらった。「時期がもう少し遅ければ、寄付が集まらなかったかもしれない」。今の経済状況を踏まえ、不況下の明るいニュースを喜んだ。
新たな本拠地を構えた広島東洋カープへの期待も完成式の会場にあふれていた。松田元オーナー(58)は「みなさんに感謝し、恩返ししたい。チームを強化し、誕生したばかりの『赤ちゃん』球場を立派に育てたい」と決意を語った。
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