(CNN) オバマ米大統領は26日、インターネットを通して寄せられた国民の質問にライブ映像で答える「オンラインタウンホール集会」を実施した。
ホワイトハウスの公式サイトには、締め切りの同日午前9時半までに、9万人以上の国民から10万4000件余りの質問が寄せられた。テーマは経済問題にしぼり、それをさらに教育、住宅、医療保険、雇用、エネルギーなどの分野に分類した。
米大統領と国民との直接対話としては、フランクリン・ルーズベルト元大統領がラジオを通して行った「炉辺談話」などが知られているが、オバマ大統領はすべての質問を公開し、どの質問に答えるかを投票で決めるなど、参加者同士の交流にも重点を置いたことが注目される。
大統領はホワイトハウスのイーストルームで、約100人の「観客」を前に、寄せられた質問のうち7件に答え、この模様がネット配信された。
大統領はまず、「皆さんやご家族が抱えている問題と、政治家が注目する問題が一致しないこともある」と述べ、重要なのは政治家同士の勝ち負けではなく、国民が何を必要としているかだ、と強調した。
「外国へ流出してしまった製造業の雇用は戻ってくるか」との質問に、大統領は「ノー」と答え、「外注できない雇用を創出する必要がある。再生可能エネルギーが有力な分野になるだろう」と指摘した。
大統領が掲げる大学生への学費援助をめぐる質問には、「学生が卒業時に5万ドルの借金を抱えているような状態で将来の道を決めることは難しい。公共プログラムは数週間以内にスタートさせる」と答えた。
「大麻を合法化すれば経済効果があると思うか」との質問も取り上げられたが、大統領は「質問者はどんな人々だろうね」と苦笑しながら「答えはノーだ。経済成長を図るうえで優れた戦略とは思わない」と述べた。