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“面従腹背”強めるチベット 大量宣伝と治安部隊で押さえ込み (1/2ページ)
【北京=野口東秀】中国は28日、チベット地域の統治権確立を宣言してから50年を記念して、政府が新たに制定した「100万農奴解放記念日」を迎える。この記念日を通じて、政府は共産党によるチベット統治の正当性を強調し、「主権に危害を及ぼす犯罪活動に打撃を加える」(公安省)と威信をかけて騒乱を押さえ込んでいる。しかし、治安部隊の大量動員や国営メディアを通じた当局の大がかりな宣伝活動、チベット族の僧侶に対する愛国教育にもかかわらず、僧侶らは“面従腹背”の傾向を強めているのが実情だ。
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27日、北京の人民大会堂で開催された「農奴解放50周年座談会」。中国政府に認定され、愛国教育を受けたチベット仏教指導者パンチェン・ラマ11世(19)があいさつに立った。
「本当のことをみる眼を与えてくれた中国共産党に心から感謝したい」
座談会には共産党ナンバー4の賈慶林全国政治協商会議主席らが出席し、共産党によるチベット統治の正当性をアピールした。
北京市内では、党統一戦線部などの主催で「チベット民主改革50年大型(写真)展覧」が開催中だ。チベット自治区50年間の「経済発展、社会の進歩、人権発展の巨大な成果」(同展覧会)を500枚を超える写真などで紹介し、「貴族などが支配し、残虐な刑を科されていた封建農奴制社会」だったチベットを共産党が「解放した」との見方を印象づけている。