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ミサイル迎撃、外相「難しい」政府筋「当たらない」

2009年3月24日13時34分

 北朝鮮が発射を予告している「人工衛星」が日本に落下しそうな場合、迎撃が技術的に可能かどうかについて、中曽根外相は24日の閣議後の記者会見で「難しい」との認識を示した。政府筋も23日、「当たらないと思う」と発言。政府は近く、弾道ミサイル破壊措置命令を発令する方針だが、足元からそもそもの技術論で疑問が出た格好だ。

 政府筋は「鉄砲をバーンと撃った時にこっちからも鉄砲でバーンと撃って(弾と弾が)当たるか。当たらないと思う。口開けて見ているしかない」との見方を示した。「実験したときは成功したと言うが、それは、『はいこれから撃ちますよ。はい、どーん』と撃ったやつだった。いきなりドーンと撃ってきたら、なかなか当たらない」とも述べた。

 中曽根氏は、この発言について感想を問われ、「難しいのは事実だ。やったことがない。どういう形でどういう風に飛んでくるのかわからない」と述べた。一方、浜田防衛相は24日の会見で「そのようには考えていない。今まで準備万端ということで万全になるように努力をしてきている」と反論した。

 政府筋発言に対しては、24日開かれた自民党国防関係3部会でも「発言が報道で流れること自体が極めてマイナスだ」「緊張感が足りない」と批判が相次いだ。中谷元・元防衛庁長官は「釈明なり事実の打ち消しなどを求めたい」と記者団に述べた。

 迎撃を試みる場合、まずは日本海に展開したイージス艦から迎撃用の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を発射する想定。ただ、自衛隊はSM3の迎撃実験を過去に2度実施し、うち1度は失敗している。

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