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地域医療再生に補助金、与党、1兆円の基金検討

2009年3月28日3時2分

 医師不足対策や救急医療体制の強化を目指し、与党は27日、追加経済対策に「地域医療再生基金」(仮称)の創設を盛り込む方向で検討に入った。都道府県ごとに地域医療再生計画をつくり、計画実施に必要な費用を基金から補助する。09年度補正予算を念頭に税負担で基金を設置し、少なくとも3年間で1兆円規模とする案が浮上している。

 与党が厚生労働省と調整中の案によると、都道府県が医師確保や救急医療体制の整備などを盛り込んだ地域医療再生計画を策定。実施に必要な費用を国が補助する。地方の実情に応じ、幅広い使途を認める方針だ。

 現時点では、大学病院などと連携した医師派遣システムの強化▽産科を強化した病院への支援▽病院内・病院間をネットワークでつなぐIT(情報技術)基盤の整備▽医学生の地元定着を促すための奨学金や寄付講座の支援――などが想定されている。

 国は医療機関などを対象にした施設整備や人件費などの補助について、都道府県にも負担を求めてきた。しかし、財政難で自治体が支出できず、結果として国の補助制度そのものが使えないケースがあった。基金は、こうした「地方負担分」の軽減にも活用する方針だ。

 地域の拠点病院を強化することで、周辺に予防医療につながる薬・医療機器メーカー、介護事業所などを集積させ、「健康長寿産業」が地域の雇用の受け皿となることも狙う。

 このほか、災害時に地域医療の中核となる災害拠点病院の耐震化費用の補助率の拡大も検討している。厚労省によると、国の耐震基準を満たしているのは6割弱。国は4月から耐震化工事の補助率を従来の3分の1から2分の1に引き上げるが、追加対策で補助をさらに手厚くする。

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