肺がん治療薬「イレッサ」による副作用とその後の不適切な処置で裾野市内の男性(当時65歳)が死亡したとして、遺族が沼津市立病院(沼津市東椎路)を経営する沼津市などに約1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、地裁沼津支部であった。秋田智子裁判官は遺族側の請求を棄却した。
判決文によると、肺がん治療中の男性は03年4月、同病院でイレッサを投与された。その後呼吸の苦しさを訴えて、緩和するため塩酸モルヒネを投与されたが、同7月に呼吸不全で死亡した。
遺族は「イレッサで間質性肺炎になった。モルヒネの投与量も過剰だった」と訴えていた。これに対し、秋田裁判官は「副作用で間質性肺炎を発症したとする医学的根拠はない。モルヒネの使用量も不適切でなかった」と認定した。【山田毅】
毎日新聞 2009年3月27日 地方版