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候補者諸君!音声メールはOKなのを知ってましたか?ネット選挙運動を即刻解禁せよ! 第10回藤倉 善郎(2007-07-17 15:00)
ネットでの選挙運動を禁止している公職選挙法にも「抜け道」はある。 第4回の「永田あつし市議インタビュー」で紹介した音声メール作戦だ。これはネットを使って合法的に選挙運動を行える、現状でもっとも有力な手段と言える。 そんな願いをこめて、合法的な音声メール作戦の詳細を解説する。 (1) メールに音声ファイルを添付して配信する。あるいは、音声ファイルを自動再生するように設定したHTMLメールを配布する (2) 差出人名・タイトル・本文には候補者名・政党名を記載しない (3) メール本文には文章・画像を記載しない (4) すでに自分(差出人)のメールアドレスを知っている相手にだけ配布する 音声メールのイメージ 音声メールを送信する際は、本文なしでタイトルに「音声メール」とだけ書いて送ったと語る永田あつし安城市議(撮影:吉川忠行) これに従えば、音声メールを配布する相手は、メールアドレスを見れば差出人が誰だかわかってくれる相手、つまり従来やりとりのある人、ということになる。 「私が以前やった音声メールは、あくまでもパフォーマンス」と語る永田氏は、立候補の挨拶など短い音声メッセージをメールに添付しただけだったが、もともと音声の内容に規制はない。自分への投票を呼びかけても構わないし、演説スケジュールを語ろうが演説そのものを音声ファイルでバラ撒こうが、公選法上はまったくの自由だ。 公示後のニュースや状況変化を踏まえた最新の演説を音声メールにすれば、場合によっては公選法で認められた文書図画にも政見放送にもないバージョンの演説を有権者に届けることができる。 ここまでが、「音声メール」のほぼ完全な安全圏。 次は、「もう一歩踏み込んで実践したい」という候補者のための、グレーゾーン攻略法を解説しよう。 音声メールの“グレーゾーン”はココだ! グレーゾーンだらけの現在の選挙制度では、当然、音声メールにもグレーゾーンが存在する。実は、音声メールのタイトルや本文に関する解釈は、総務省や警察にも具体的な判断基準がなく、曖昧なままなのだ。 記者が総務省選挙課に問い合わせた際の説明は、こうだ。 「音声メールのタイトル、本文、メールアドレスに党名や候補者名が入っていれば、運動性があると判断されるおそれがあります。(文字の部分に)運動性があるとなれば、それをメールで配信することはできません」 では、「候補者名も党名も書かず、これは演説の音声ファイルです」とだけ書いた場合や、サーバー上に置いた音声ファイルのURLを記載した場合はどうなるのか。 「運動性があるかないかは、トータルでの判断になります。(公選法による規制を)逃れるための手段に過ぎないと判断されれば、違反の可能性も出てきます」(同選挙課) いくら尋ねても、漠然とした答えばかりで要領を得ない。そこで「違反の可能性があるとなった場合、どういうプロセスで『判断』されるのか」と尋ねると……。 「具体的なケースについての指摘が総務省に寄せられれば、それについて解釈を伝えることはあります。しかし指導や警告といった権限は総務省にはなく、警告や摘発をするかどうかは警察が判断し、最終的には裁判所が判断します」 つまり、総務省は「判断」してくれないのだ。何度尋ねても総務省が「可能性がある」という曖昧な表現を繰り返すのは、おそらくそのせいだろう。一方、当の警察も、音声メールについて警告や摘発のための基準をもちあわせていないようだ。 「法解釈に関する問題なので、警察庁に聞いてください」(警視庁広報) 「現場判断ですので、各都道府県の警察に聞いてください。警察庁として基準は設けておらず、総務省の解釈に従っているとしか言えません」(警察庁広報) 総務省と警察とで、「判断」の主をなすりあっている。 「メール本文に何か書いてあれば、総務省としてはダメだと言うでしょう。しかし、仮に音声メールの本文に何か書いて、警察なり総務省なりから目をつけられたとしても、最初はまず警察から警告が来るだけですよ。いきなり摘発させることはないでしょう」(永田氏) たとえ総務省が目をつけたとしても、「警察の現場判断」なのであれば、警告すらも必ず来るとは限らないということになる。 前述のような「本文なしの音声メール」は安全圏だが、本文に候補者名・党名を書かず音声ファイルの説明文をつけたり、サーバー上に置いた音声ファイルへのURLを記載するのはグレーゾーン。「警告だけなら、やってみる価値アリ」という候補者には、ぜひここまで踏み込んでもらいたいものだ。 これによって物議をかもせば、音声メールでどこまでやったら違反になるのかという総務省や警察の判断基準も、少しは明確になるだろう。 もうひとアレンジ加えてみよう グレーゾーンではないが、音声メールの配布方法にも工夫の余地がありそうだ。 公選法上の「選挙運動」とされる行為は、候補者や陣営の関係者による投票の呼びかけだけではない。候補者とまったく無関係の第三者の行為であっても、「特定の選挙で1票を得る行為」であれば選挙運動にあたる。 もちろん、第三者による選挙運動が禁止されているわけではない。文書図画の配布数等、運動の内容に制限があるだけだ。音声についてはもともと制限がない以上、支持者など第三者が候補者の音声メッセージをメールで配信することも可能、ということになる。この方法なら、候補者が自分の知人だけに送るよりも幅広くメッセージを配布できる。 ただし、無制限に転送を呼びかけるメールはマナー違反。「チェーンメール」にならないよう、転送の呼びかけはほどほどに。 4月に投票が行われた都知事選の立候補者・外山恒一氏が話題を集めた「YouTube」。これを利用して音声メッセージの配布する、という方法も考えられる。 外山恒一氏の政見放送の映像がYouTubeにアップされた際、東京都の選挙管理委員会は「選挙運動にあたるかどうかは微妙」としながらも、「特定候補の映像だけが流されているのは不公平」という理由から削除を要請した。しかし島さとし議員がHPで行ったのと同じく、「真っ白な画面に音声だけ」の映像データをYouTubeにアップする分には問題ないだろう。たとえそれが選挙運動とみなされたとしても、「視覚に訴えるものでなければ問題ない」というのが総務省見解なのだから。 今回の参院選から海外在住者が比例区だけではなく選挙区でも投票できることになった。しかし選挙カーも回ってこなければ、政見放送を見られるかどうかもあやしい海外でのこと。ネットでの選挙運動が禁じられている現在では、候補者を選ぶための情報はあまりにも少ない。 あらゆる面で時代遅れが目につく公選法だが、音声メールに限っては、現状でも合法的に活用できる。それなのに実践している候補者がいるという話が聞こえてこない。 今回の参院選では、こんな時代遅れ選挙を打ち破る果敢な候補者の登場を切に願う。そして当選の暁には、ぜひ法改正を。 ネット選挙運動を即刻解禁せよ! トップページへ バックナンバー
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