最終更新: 2009/03/27 13:08

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北朝鮮と国際社会の関係が緊張を増す中、軍事境界線に接する島を取材しました。

北朝鮮と国際社会の関係が緊張を増す中で、南北の関係も緊張を高めています。
軍事境界線に接する最前線の島を緊急取材しました。

3月9日から20日にかけて、アメリカと韓国の合同で行われた大規模演習に対し、北朝鮮は強く反発した。
そして6日、北朝鮮中央テレビは「わが領空とその周辺、とりわけ日本海周辺を通過する南朝鮮の民間航空機の安全は保障できないと宣言する」と、民間航空機へのどう喝を行った。
さらに北朝鮮はこの後、韓国との人や物資の往来を制限し、軍のホットラインを遮断するなどエスカレートしていった。
この懸念と連動する形で、今、南北の間では、もう1つの別の緊張が広がっているという。
朝鮮半島の西側、黄海に浮かぶ延坪島(ヨンピョンド)は、本土から高速船で2時間半余りの距離にある。
ここは、「NLL(北方限界線)」という海の軍事境界線に面した島で、北朝鮮本土とは目と鼻の先に位置する最前線の島となる。
島の船着き場では、軍の憲兵が出入りする人々に目を光らせているほか、高台には監視所が配置されていた。
島の主要産業はワタリガニ漁で、FNN取材班が訪れた時期は、ワタリガニ漁解禁の直前とあって、港では豊漁を願う祭りが行われていた。
島の住民は「(緊張が高まっているが?)もちろん緊張状態です」、「戦争が起きるかどうか、わたしたちにはわかりませんが、漁業のことを考えています。生活が懸かっていますから」と話した。
別の住民は「あまりに過大に報道されているが、わたしたちは何も感じていません」と答えたが、背景には守備隊の兵士が映っていた。
兵士は、韓国でも精鋭部隊とされる韓国海兵隊で、政府がここの守備をいかに重視しているかがわかる。
島沿いの海岸を訪れると、海中には船などによる侵入を防ぐくいがびっしり埋め込まれ、道路沿いの何気ない畑の傍らには「地雷地帯」の表示もあった。
そして、海岸には、1999年に延坪島周辺で韓国と北朝鮮の海軍が衝突した第1次延坪海戦で、韓国側の勝利を記念して作られた記念碑があった。
過去、南北衝突は、実際に起こっていた。
1999年6月、NLLを越えた北朝鮮警備艇に韓国側が体当たりしたところ、北朝鮮側が発砲し、海上での銃撃戦となった。
戦闘では、北朝鮮が水上艦艇2隻を失い、多数の死傷者を出したといわれる。
事件直後 北朝鮮は突然NLLの無効を宣言し、3年後の2002年には、同じ水域で再び衝突が起こり、今度は韓国側に犠牲者が出た。
この時、北朝鮮側の攻撃は、奇襲に近いものだったといわれており、事件以後も北朝鮮警備艇によるNLL侵犯は、たびたび報告されているという。
延坪島から3km先に見えるという北朝鮮の撮影のため、FNN取材班は監視所の多い島の北側に移動した。
北朝鮮側の海岸線を映した映像は、浜辺の風景を狙ったものだが、偶然あるものが映っていた。
映像をこれまでに記録された北朝鮮側艦艇の記録と重ね合わせると、専門家によれば、映っていた船は、北朝鮮側のシャンハイIIクラスの戦闘艦である可能性が高いという。
ミサイルをめぐる緊張と並ぶ朝鮮半島の海の軍事境界線問題、2つは同時にエスカレートを続けるのか、今後が注目される。

(03/27 00:37)


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