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【政治】続投表明世論と溝 勢いづく『反小沢』勢力2009年3月27日 07時11分
続投表明した民主党の小沢一郎代表に、世論の風当たりが強まっていることが共同通信社の調査で浮き彫りになった。小沢氏が所属国会議員に真意を説明する二十七日の参院議員総会と代議士会に向け、批判的な勢力は勢いづき、辞任論を封じようとする小沢氏支持グループとの攻防が激化してきた。 (西川裕二) 鳩山由紀夫幹事長は二十六日、世論調査で「代表を辞めるべきだ」との回答が六割を超えたことについて「国民に理解をいただけるよう努めなければならない。必要なところにはきちんと説明を申し上げ、何としても政権交代を果たさなければならない」と強調するほかなかった。 小沢氏は二十四日の記者会見で、世論を見極めて進退を判断する考えを示していただけに、代表続投に多くの国民が納得していないことが明らかになったことで、苦しい状況に追い込まれた。 自発的な辞任を求めるベテラン議員は「予想の範囲内だ。国民の意識と私の感覚は一致している」と、世論の後押しを強調。党の支持率は維持しているものの「このままいけば支持率も下がる。一日も早く決断してほしい」(中堅)と、早期辞任を求める声も挙がり始めた。 小沢氏は二十七日、参院議員総会と代議士会に相次いで出席し、続投に理解を求める考えだが、世論調査の結果を受け、厳しい意見を突き付けられることが予想される。 こうした事態に備え、小沢氏を支持する若手議員グループと鳩山氏のグループは二十六日の会合で、それぞれ小沢氏を支えていくことを確認。事前に決めた発言者が代議士会で、小沢氏のもとでの結束を訴えるなど、小沢氏が集中砲火を浴びることを想定した対抗策を練った。 ◆トロイカにもすき間風 民主党の小沢一郎代表と菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長の「トロイカ」にすき間風が吹き始めた。原因は小沢氏続投を了承した二十四日夜の党役員会と常任幹事会に先立ち、菅氏が小沢氏と一対一の面会を求め、十分程度会談したことだ。 菅氏は二十六日の記者会見で、この会談について「もう少し時間をかけて(進退を)判断する方がいいのではないか、と申し上げた」と説明。その上で「(会談後の)常任幹事会で代表の続投を私も含めて了とした。小沢代表の下で政権交代を果たしたい」と強調した。 小沢氏は菅氏との会談について口を開いていないが、菅氏に不信感を抱いているという。二人の密室会談だけに、党内には「菅氏が小沢氏に辞任を迫った」(若手)との見方もくすぶる。 これまで民主党は、「トロイカ」の三人が意思統一した上で党運営に当たってきた。今回、小沢氏と続投を主導した鳩山氏の二人と、菅氏の間に距離が取りざたされ「小沢氏辞任論が噴き出す党内の混乱を誘発している」(幹部)と心配する声も出ている。 (竹内洋一) (東京新聞)
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