2009年3月26日15時3分
準大手ゼネコン「西松建設」から民主党の小沢代表の資金管理団体「陸山会」への違法献金事件で、小沢代表の公設第1秘書と陸山会の会計責任者を兼ねる大久保隆規(たかのり)被告(47)=政治資金規正法違反(虚偽記載など)の罪で起訴=が、東京地検特捜部の調べに対し、違法献金だったことを認めていたことが、関係者の話でわかった。
大久保秘書は、二つの政治団体を経由させる献金の割り振りを西松建設と協議して決めていたことや、同団体がダミーとの認識があったことなどを供述しているという。
起訴状によると、大久保秘書は、会計責任者を務める陸山会と、実質的に会計業務を管理していた政党支部「民主党岩手県第4区総支部」(代表・小沢代表)を受け皿に、西松建設から03〜06年に計3500万円の企業献金を受理。しかし、それぞれの政治資金収支報告書には、西松建設OBが代表を務めるダミーの政治団体から寄付を受けたかのように装う虚偽の記載をしたとされる。
大久保秘書は、今月3日に逮捕された直後、容疑を否認していたが、その後の調べで「西松建設からの献金であることは知っていた」などと、容疑を大筋で認めたという。
一方、起訴事実とは別に、大久保秘書ら小沢事務所側が、東北地方でのダムなどの大規模工事の受注で便宜を図ってくれることを期待して献金を続けていた西松建設に対し、ゼネコンの談合組織に働きかけるなどして工事受注で便宜供与していた疑いが持たれている。大久保秘書はこうした便宜供与については否定している模様だ。
特捜部の調べや関係者の話によると、西松建設は95年ごろから小沢代表側に献金を始め、大久保秘書は00年に前任秘書から西松建設との交渉役を引き継いだとされる。
年間の献金総額は2500万円と決められ、(1)ダミー団体から陸山会、政党支部、政党の岩手県連(2)子会社「松栄不動産」などから政党支部(3)下請け業者から政党支部、の3ルートで献金されたという。