ベッドの手すりに首が挟まるなどベッドの周辺設備に絡んだ病院内の事故が、06~08年の3年間で19件起き、うち4件では患者が死亡していたことが、医療事故情報を収集する財団法人・日本医療機能評価機構のまとめで分かった。機構は医療機関に安全対策を取るよう呼び掛けている。
機構によると、事故があったのは▽ベッドと手すり14件▽ベッドサイドのテーブル4件▽ナースコールのコード1件で、事故一歩手前の「ヒヤリ・ハット」は40件の報告があった。死亡の4例はいずれも首が絞まった窒息で、うち2件は手すりの間に首が挟まったのが原因。患者が電動ベッドを動かした際、耳に付けたテレビのイヤホンが首に巻き付いて一時意識不明になったケースもあった。
手すりのすき間に頭や指が入らないようマットやタオルでふさいでいる病院もあるが、患者が障害者だとマットに顔が埋まり、呼吸困難に陥る事故も起きていた。
介護用ベッドを巡っては、手すりに体を挟む事故の多発で経済産業省が日本工業規格(JIS)を強化することを決めたが、同機構は「ハード面では防げない事故も起きており、きめ細かい安全対策が必要」と指摘している。【清水健二】
毎日新聞 2009年3月24日 19時28分