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【社説】チャン・ジャヨンさん自殺から17日、警察は何をしているのか

 タレントのチャン・ジャヨンさんが自殺前に残したとされる文書をめぐり、さまざまな疑惑とうわさが韓国社会を揺るがせているにもかかわらず、警察の捜査は一歩も前進しないままだ。チャンさんは今月7日に首をつって死んでいるのが発見された。8日にチャンさんの元マネジャー、ユ・チャンホ氏はチャンさんの遺族に文書の写しを見せた。9日は警察が自殺原因をうつ病によるものだと結論づけた。12日に遺族はユ氏から受け取った文書を焼却した。13日にチャンさんの文書の一部が報じられた。14日に警察は27人から成る捜査班を設置。20日には京畿地方警察庁長の指示で捜査体制が41人に増強された。しかし、警察がこれまでの捜査で確認したことは何もない。

 こうした間にも新たな証人による証言が出ている。有名女優がチャンさんの自殺6日前ごろに影響力があるフリーランスのディレクターに文書の内容を伝え、チャンさんの所属する事務所のK代表をひどい目に遭わせてほしいなどと依頼していたというのが証言の内容。ユ氏もチャンさんが自殺する前に複数の放送記者と接触していたとの説もある。チャンさんは自分が文書を書けば、ユ氏がそれを持参してK代表に圧力をかけ、所属事務所の横暴から逃れられると考えていた。しかし、従来の目的に反し、文書の内容が流出したために慌てていたとされ、それがチャンさんを自殺に追い込んだ原因ではないかとも言われている。

 捜査はユ氏とK代表の対質尋問から始めなければならない。しかし、警察は25日に出頭するというユ氏を待っているばかりで、K代表に至っては日本に滞在したままだ。18日になって国際刑事警察機構(インターポール)に捜査と犯罪人引き渡しを要請したが、いつ身柄が送還されるかは分からない。記者はいつでもK代表と電話でやり取りしているが、警察は電話連絡が付かないと説明している。一線の捜査責任者は「そんなに急ぐほどの重大事案ではない」とも語った。

 警察は一人の女優を自殺にまで追い込んだ芸能界の闇の病弊を白日の下にさらさなければならない。同時に社会全体がうわさに振り回され、無関係の人がうわさで大きく傷つけられる事態に手をこまぬいていては駄目だ。捜査の空転はこれら二つの任務にいずれも消極的な警察の業務怠慢だ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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