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第20回:元世界チャンピオンが目指すボクシング指導とは(1/2)
〜セレス・ボクシングスポーツジム会長・セレス小林氏〜

2006年08月21日
大沼博靖
今も昔と変らずスマートな体型を維持する小林氏
今も昔と変らずスマートな体型を維持する小林氏【 Photo by BBM 】

 今回は、第13代世界ボクシング協会(WBA)世界スーパーフライ級チャンピオンであり、現在は、千葉県柏市においてセレス・ボクシングスポーツジムの会長として後進の指導に当たっている小林昭司氏を紹介する。

■三浦トレーナーの存在

 モハメド・アリにはアンジェロ・ダンディ、マイク・タイソンにはカス・ダマト、井岡弘樹にはエディ・タウンゼント……、一流の世界チャンピオンの陰には、超一流と評されるトレーナーの存在がある。しかし、誰もが彼らの指導の下でレベルアップできるとは限らないのがボクシングの難しいところ。相性や指導法がマッチするかなど、成功するにはいくつかの要素が介在する。

「僕の場合、現在ドリームジムの会長をやっておられる三浦(利美)トレーナーの存在が大きかったですね。あの人に会っていなかったら、世界チャンピオンどころか4回戦、6回戦で終わっていたと思います。相性が合ったということもあるし、教え方が僕に合っていたというか。まあ、僕の場合はほかのコーチだったらだめだったでしょうね。
僕を含めて指導者は、基本的にはジャブとワンツーから教えていきます。その後は、スパーリングをやっているときなどに、この選手はどこが長所かを見極めて、いいところを伸ばして短所を補っていくのか、それとも短所を徹底的に直していくのかは、指導者次第ですね。型にはめて指導する人もいれば、その選手に合ったボクシングを教えている人もいる。きっちりと管理する人もいれば、選手の自主性に任せる人もいます。どんなタイプがいいのかは一概には言えないですね。
 僕自身は、ボクシングで大切な要素であるパンチ力、リードブロー、勘を見ながら、その選手の長所を見極めて、それを褒めながら伸ばしていくタイプで、三浦会長と似ていますね。やっぱり指導してもらった三浦会長の影響を受けていますね」

■大事なのは、長く続けさせること

 肉体に過酷なトレーニングを課すボクシングは、ともすると選手寿命が短いという印象を受けることもある。しかし、小林によれば、長く続けることで本当の実力がついてくるのだと言う。

「これは僕だけではなく、三浦会長の持論でもあるんですが、ボクシングは、長くやらなければ才能が開花しないものなんです。あっという間に世界チャンピオンまで駆け上がる選手なんてほんの一握りですから。ほとんどの選手は、少しずつ、少しずつ成長していきます。やめてしまうと成長がそこで止まってしまうんですよ。いかにやめさせないかが大事ですね。
 うちは高校生をはじめ若い選手が多いので、その点には気を遣っています。今の子供たちはあまり怒るとやめてしまうので、アメとムチを使い分けながらの指導になりますね。今はアメが8割ぐらいですかね(笑)。
 それに画一化した指導はしないようにしています。確かに難しいですけど、選手が10人いたら10人皆違いますから。誰に対しても同じ教え方をしたら、その教え方が合った選手やもともと才能のある選手以外は伸びませんから。才能のない選手にも、どうしたら勝てるボクシングを教えてあげられるかを考えています」

■気持ちを教える難しさ

 世界チャンピオンとして2度目の防衛戦に敗れた後、小林は迷わず指導者としての道を選択。まずはその経験を積むために、国際ジムでトレーナーとして指導者のキャリアをスタートさせ、その後、独立して現在のジムを開設することになる。

「選手を育てるというのは楽しいですが、教えるのは難しいですね。自分の考えだけでなく、人(=選手)の気持ちを考えながらやるというのはね。自分でやる方が簡単です(笑)。
 教えたことができるか、できないかっていうのは本人の勇気次第なので、技術面ではそれほど難しさを感じたことはありません。むしろ気持ちの面ですね、一番難しいと思ったのは。“どうしてできないのか、どうして今(打って)いけなかったのか”みたいなね。気持ちの強い選手は打っていけるんですけど、気持ちが弱い選手は打っていけない、その部分ですかね。
 選手にその点を指摘してあげると、頭では分っているんだけどいけないんです。そこが勇気、つまりハートの問題なんです。技術は教えられますが、これは教えたからって強くなる(=できる)というわけではありませんから。この点が一番やきもきするところですね。
 ハートの強い選手っていうのは、教えたことを試合で出せるので、試合を作ることができますから、セコンドとしてもある程度の計算が立ちます。でも弱い選手はそれが出せないので、セコンドに付く僕らは試合を作れないんです。もちろん、経験も大切な要素なので、1試合目に出せなくても、2試合目、3試合目でそれが出せればいいと思っていますから、1試合だけで選手を見極めてしまうことはしません。相手がいることで勝ち負けはしょうがないですから。自分の力をいかに出し切れるかが大事ですね」

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【関連リンク】
Coaching119 http://www.cc119.jp/
SportsClick http://www.sportsclick.jp/
セレス・ボクシングスポーツジム http://celes-gym.com/

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