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文章力を上げる“写経”訓練法の3つのポイント

3月23日18時28分配信 ITmedia Biz.ID


文章力を上げる“写経”訓練法の3つのポイント

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 ビジネスパーソンの多くが身につけたいと思っているスキルは、トーク力と文章力です。前回はトーク力を改善する方法についてお話しましたので、今回は文章力を向上させるための訓練法を紹介しましょう。

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●文章テクニックを学んでもうまくいかない理由

 ちまたにはたくさんの文章テクニックに関する本やセミナーがあります。また、私自身も文章を書くセミナーを開いたり、教材を販売しています。恐らく皆さんの中にも、そういった本やセミナーで勉強したことがあるという人もいることでしょう。

 しかし、テクニックを学んでもうまくそれが活用できない、という人も沢山いるようです。そういう人達の話を聞いていると、活用できない原因は以下の3点に集約されるように思えます。


1. 書くべき情報や考えを吟味していない 簡単な伝言ならばともかく、企画書や報告書など、自分の考えをきちんと盛り込む必要のある文章を書くときには、自分が伝えなければいけないことをきちんと吟味し、検討する必要があります。 これは文章に限らず、話をするときにも同様です。必要な情報を集め、何を伝えるのかを事前に考え、それが人に伝えるに足るものとなっていなければ、いくら文章力があったとしても、よい文章というのは書けないのです。
2. テクニックを断片的に駆使しようとする 魅力的な文章を書くためのテクニックは確かに存在します。しかし、そのテクニックを断片的に使用してもよい文章にはなかなかなりません。 文章は、部分部分の出来不出来ではなく、全体の流れによって成立するものです。そして、その流れに沿ったテクニックを使うことで、初めて読める文章になるのです。つまり、断片的なテクニックより、全体の論旨展開や構成の方が重要なのです。
3. 書いた文章の良しあしが理解できない 文章をうまく書けないという人の多くが、自分の文章の良しあしを判断できないようなのです。個人的に一番問題なのはこの点にあると思っています。 いくら文章テクニックを学んでも、書いた文章の良しあしが分からなければ、評価のしようもありません。そして、文章の良しあしを判断する力は、断片的な文章テクニックを学んだだけでは身につきません。評価眼というものは、やはり自分自身がいい文章を書けるように訓練しなければ身につかないのです。

 つまりよい文章を書くためには、この「よい文章を書けない3つの原因」を克服する必要があります。しかしこれらの原因は、どれも一筋縄ではいかないものばかり。これを克服する方法があるのでしょうか。――実はあります。それが今回ご紹介する「写経訓練法」なのです。

●文章力を血肉化する写経訓練法を実践する3つのポイント

 勘のよい方ならお分かりかと思いますが、この写経訓練法とは、一言で言って

・よい文章を書き写す

 ことであります。やるべきことはただそれだけ。作業そのものは、拍子抜けするくらい簡単です。ですから、きっと大半の人はバカにしてやらないと思うのですよね。

 しかし、実はこれが、文章力を上げる一番効果絶大の方法なんです。しかも、この方法で身につけた文章力は、本で勉強した小手先テクニックとは違い、そう簡単に忘れてしまったりはしません。自分自身の血肉となるように身につきます。

 なお、この写経訓練法の効果を最大化するために、必ず守ってほしい3つのポイントがあります。


1. 自分のキャラクターにあった人が書いた文章を選ぶ いくらビジネス文書であっても、文章というものは、自分という人間が出てしまうもの。ブログやメルマガを書いている人ならば、なおのこと自分というものが表現できていないといけません。 自分らしい文章を書くための訓練ですから、書き写す文章を選ぶ際にも自分のキャラクターにあった人の文章を選ぶのがよいでしょう。いくらよい文章であっても、自分のキャラクターから大きく外れた文章では、いざ自分の文章を書こうとしたときに、無理が出てきてしまいます。 できるだけ、自分のキャラクターとして無理なく書き写せそうな人の文章を選んで集中的に練習して下さい。
2. 必ず手で書く 「いい文章を沢山読めば写経なんかしなくてもいいんじゃないか」と思う人もいらっしゃるでしょう。しかし、実際に手で1文字1文字書いてみると、読んだだけでは気づかなかった発見がたくさんあることに気づくでしょう。漢字の使い方や文章の区切り方など、細かな表現1つとっても、どのタイミングで、どんな表現をしているのかということは、文章を目で追っただけでは、なかなか感じ取ることができません。 ですからここは、人を納得させて引き付けるような文章の細部に眠る要素を、手触りを感じるように1文字1文字、徹底的にあなたの手で書き写してみてください。
3. 次の1文を予想しながら書く 写経訓練法を行う上で、これをやるのとやらないのでは、習得するスピードもレベルも大きく変わってくるのが、この次の1文を予想しながら書くということ。 よくできた文章というのは、読んでいる読者に対して、納得のいく流れになっているものです。そういった、読者を納得させる文章の構成を身につけるためには、 「自分が書き手の立場に立って、次にどんな文章を書くかを考える」 ことがとても有効なのです。こういったことをやり続けていくことで、よい文章を書いている人の思考パターンを盗んでしまおうというわけです。 最初は、予想が大きく外れてばかり、といったことになりますが、徐々に大きく外れることはなくなってきます。どんぴしゃりとまでにはなかなかなりませんが、だいたい予想がつくという手応えは感じられるのではないでしょうか。 そういった手応えを得られたら、その人の思考パターンが結構盗めてきたという証です。その思考パターンを活用して、自分の文章を書くと、きっとびっくりするくらい、今までとは違った手応えを感じるものが書けるようになることと思います。

 ということで、この3点を心がけながら写経訓練法を行うと、先に挙げたうまく文章が書けない3つの原因を克服できる上、人に納得してもらえるような文章が書けるようになることでしょう。

 ちなみに手書きではなく、キーボードで書き写す方法ではダメなのでしょうか。ここまで述べた通り、私のお勧めは手書きです。というのも、両方実践してみたのですが、キーボードの場合、変換時に正しい漢字を選ぶことに気が散ってしまい、文章の端々まで感じ取ることや、次の1文を予想することがうまくできませんでした。ですので、やっぱり手書きがお勧めです。

 ビジネスパーソンは、トーク力と文章力の有無で選択できる道の広さが大きく変わります。単純にして破壊力抜群の写経訓練法を実践し、説得力、納得力のある文章を書く力を血肉化してくださいね。


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最終更新:3月23日18時28分

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