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【民主党解剖】第二部(1)小沢ショック 不満蓄積も不気味な静寂 動けぬ反小沢 (4/4ページ)
代表代行、菅直人と幹事長、鳩山の動向も注目されている。2人は9日、人目につかない国会図書館で向き合い、今後の党内政局について意見交換をした。
鳩山「私は今、菅さんと戦いたくない」
菅「私もそう、同じだ」
会談は前日に菅が持ちかけ、小沢体制で結束する方針を確認したという。
仮に小沢が辞任すれば、幹事長として連帯責任を負うことになる鳩山。代表代行としては異例の衆院予算委員会筆頭理事を務め、国会運営の切り込み隊長役を果たした菅。2人はともに、岡田の一挙手一投足に神経をとがらせている。
だが、岡田は黙りを決め込み、自身の発言が小沢の進退問題と絡めて扱われることを警戒している。18日夜には、地元・三重県選出議員との会食を予定していた東京・赤坂の中華料理店前に報道各社が待ちかまえていると知ると、急遽(きゆうきよ)、出席をキャンセルした。
「小沢さんは辞めるのか」「岡田さんは代表選に出る気があるのか」…。主役不在の会合では、水掛け論が繰り返された。岡田の慎重姿勢に周辺もいらだち始めている。
秘書の勾留(こうりゅう)期限が切れる24日までは、党内の反小沢の動きは完全に封印された形だ。元政調会長、仙谷由人は7日の徳島市での会合で小沢を批判、代表交代にも言及した。だが、党内に同調する動きは広がらず、逆に仙谷は若手議員に「今は『沈黙は金』ですよ」と耳打ちされたという。
民主党内政局の引き金役を演じれば、せっかくの政権奪取目前にいらざる混乱を招いたとして、党内外からの批判を招きかねない。結果として、「誰も猫(小沢)の首に鈴をつける者はいない」(ベテラン秘書)状況が生じている。
「『辞めぬなら、辞めるまで待とう小沢さん』だな。徳川家康みたいな心境だ。でないと、謀反を起こした明智光秀のように三日天下で終わってしまう」
反小沢の中堅議員は自嘲(じちょう)気味にこう語る。(敬称略)