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名物「骨付鳥」を全国ブランドに!…香川・丸亀市

丸亀市の名物で観光協会が全国展開に力を入れる骨付鳥。香ばしくジューシーな逸品だ(丸亀市の居酒屋「三太郎」で)

 香川県丸亀市が名物「骨付鳥」(ほねつきどり)の全国ブランド化に力を入れている。鳥のもも肉を骨付きのままカリッと焼いた素朴な料理は半世紀前に丸亀で誕生。口コミで市民に広がる定番メニューになっていたが、新しい特産品を模索していた市の観光協会が市民の好物に着目。2005年に10月10日を「とっとの日」に制定し、市内の骨付鳥店マップの作成や骨付鳥選手権の開催などキャンペーンを積極的に展開。今では観光客や出張族が店に押しかける人気ぶりを見せている。 

 JR丸亀駅構内の観光案内所。この日も旅行バッグを手に男性が飛び込んできた。「東京からの出張。丸亀へ行ったら絶対食べるように言われて来たんですが、どの店がうまいんですか?」

 矢継ぎ早の質問に丸亀市観光協会の田川健三事務局長(60)が「待ってました」とばかりに取り出したのが、3年間で9万部も作成したカラーマップ。骨付鳥を扱う市内16店の住所、電話番号、営業時間を明記し、裏面では相乗効果を狙い讃岐うどんも約70店掲載。

 「出張社員や旅行客が多く尋ねて来るようになりました。マップを手に味巡りする人もいます。口コミでさらに広がっていけば、うちわやうどんに負けない丸亀の全国ブランド品になるはず」田川事務局長の鼻息が荒いのも当然。「丸亀の名物を全国へ」と市内に点在する骨付鳥の店をまとめあげ、骨付鳥キャンペーンを4年前に立ち上げたのが田川事務局長たちだった。

 「店単位では限界があるので行政が主導したんです。ちょうど酉(とり)年だったし、県が改良を重ねてきた讃岐コーチンが地鶏認定を受けた年でもあったんです」と同事務局長。子供がニワトリのことを「とっと」と呼ぶことから、語呂合わせで10月10日を「とっとの日」に制定して毎年イベントを開催。応援隊「とっとの会」も結成した。

 マップやポスターの作成に始まり、いかにうまそうに食べるかを競う骨付鳥選手権、クイズや川柳の募集、のれん、宣伝Tシャツ作製…と一気に攻勢に出た。06年公開映画「UDON」では主演のユースケ・サンタマリアが骨付鳥にむしゃぶりつく場面が登場して知名度を上げた。

 「ここでは“足食いにいかんか”が合言葉。焼き鳥と違い、かぶりついて食べ切る完結型がたまらない。うまいから、とにかく食べてみなさい」と田川事務局長にせかされるまま、駅近くの「三太郎」へ急いだ。

 開店22年目の山口四郎店長(68)は16年前から讃岐コーチン一筋。朝に絞めた新鮮なもも肉だけを使用。注文を受けてから焼くため時間がかかる。讃岐コーチンはブロイラーに比べ1本1575円と2倍近い値段だが「味は3倍。比べものにならない」と山口店長。

 味付けは塩、コショウ、ニンニクだけ。焼くのはオーブン。「それでも、味付けの加減や焼き方によって味も食感も店によってさまざまで、ファンもついています。うちでは食べやすいよう4等分しています」と同店長。待つこと20分。なるほど、皮はぱりっと香ばしく肉汁たっぷり。付いてくるキャベツで口の中はさっぱり。確かに、病みつきになる逸品だ。

 「個人の店では宣伝もままならないが、役所がやってくれるのはありがたい。マップを持った若い子が増えましたね」と山口店長も市の後押しに感謝。今では県内だけでなく高松や大阪、横浜にも店が進出しており、田川事務局長の夢―全国制覇もそう遠い日ではなさそうだ。

 ◆骨付鳥 鶏の骨付きもも肉をオーブンなどで焼き上げた全国でも珍しい料理。1952年に丸亀市に開店したお好み焼き&おでんの店「一鶴」が翌年に1つ80円で発売したのがはじまり。女優が鳥のもも肉を食べる洋画を見てひらめいたといわれている。当時は骨付きを食べる習慣はなく人気もイマイチだったが、60年中頃にブロイラーが輸入され、徐々に市民に浸透。「一鶴」で修業した職人が独立したりして丸亀だけでなく、香川県内に数十軒もの店が広がった。現在、大阪、横浜などにも支店を出す元祖「一鶴」は20億円の年商をあげるまでになっている。

 ◆「骨付鳥」の問い合わせ先
▽丸亀市観光協会 丸亀市新町6。TEL0877・22局0331。
▽居酒屋「三太郎」 同市西平山町107の2。TEL0877・23局2466。
▽一鶴丸亀本店 同市浜町317。TEL0877・22局9111。

 ◆讃岐コーチン 香川県は採卵を主体とした全国有数の養鶏県。県の畜産試験場ではより市場性の高い鶏肉の開発に乗り出し、93年に中国原産コーチンを素材にした新種(讃岐コーチン)を誕生させた。赤褐色の優美で威風堂々とした毛色と脚毛が特徴で、飼育しやすいため愛玩鶏としても人気がある。「ブロイラーに比べ脂肪とカロリーが2~3割少なく、ビタミンBやリノール酸が3~4割も多く含まれておりとてもヘルシー。心地よい歯ごたえとコクのある味が楽しめます」と香川県畜産課。05年に全国で19例目(四国では2例目)の地鶏に認定され、約15万羽を飼育。讃岐牛や讃岐夢豚とともに「讃岐三畜」と呼ばれている。

 ◆丸亀市 瀬戸内の交通の要衝として発展し、金比羅宮の参道口として栄える。1602年に築城された丸亀城は石垣の高さ日本一(約60メートル)を誇る市のシンボル。江戸時代初期(京極藩6万石)に金比羅参りのお土産として作られたうちわは全国シェア90%(年間約8000万本)を占める。また市内には60店を超える讃岐うどん店も。1900年に市制が敷かれた。人口は11万773人(1月1日現在)。

(2009年2月22日17時46分  スポーツ報知)

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